マッスル11 9/29 北沢タウンホール大会



15分遅れて映像でスタート。アントンが入り時間に遅れたらしく「♪チ〜は遅刻のチ〜、コ〜は孤独のコ〜、ク〜はくどめのく・・・」と歌いながら控室に(右写真)。控室にはWWEチックな「WRESTLERS」の張り紙が。

すると控室ではいつものメンバーがピザなどを食べている。「こ、これは、もしかして僕へのサプライズパーティー!?」
アントンは食べ物に手出しながら(左写真「趙雲、これ全部作ったの?」
趙雲「私はできない。これは専門のスタッフが健康管理のために作ったもの。」その割にはジャンクフードだが・・・・。

坂井「これはケータリングと言って、僕たち選手やスタッフは自由に食べていいんだよ。」右写真

そこに藤岡が(左写真「みなさん、これが明日の追加公演の会場までの地図と飛行機のチケットになります。」
坂井「なんで新木場まで飛行機乗る必要あるんだよ!?」
藤岡無視して「空港からは各自レンタカーで移動してください。会場から200マイル先にホテルを取ってあります。」
そこに鶴見亜門。アントンが「亜門さん、ケータリングだの、飛行機だの、いったいどうしちゃったん・・・」亜門裏拳。「Never Say Never! お前は今日の集合時間13時に6時間遅れた。Boyzの遅刻は現金、1,500ドルの罰金だ!」アントンの財布をひったくって控室を出る。

オープニング映像。


亜門がリングに登場。「北沢タウンホールにお越しの皆さんこんばんは。マッスル総合演出の鶴見亜門です。坂井たちが勝手に始めたこのマッスルも丸2年が経過しようとしています。ここまで続けてこれたのもひとえに皆さんの応援のおかげだと思っております。前回のマッスルハウス2から約5ヶ月が経ちました。若干期間が開いてしまいましたが、ただ休んでいたわけではありません。私なりに今後のマッスルの方向性を徹底的に考えた結果これだけの時間を要してしまったわけです。その間、8月にはレッスルエキスポという、今年最大のプロレスフェスティバル、いわばプロレスの万博が行われまして、そこでマッスル提供試合というものを行わせていただきました。しかしまあ、これが惨憺たる結果でありまして。まず公式パンフレットに我々の情報が一切載ってない。そして書く専門誌の試合レポートに関しても、掲載がない。ある夕刊スポーツ紙にいたっては、第1試合、第2試合、第3試合とあって、その次我々の試合だったんですが、横棒が一本引かれて第5試合。私は駅のホームで固まってしまいましたよ。なかったことにされている!まるで自分という存在が最初からこの世に存在しなかったのではないかというアイデンティティ・クライシスに陥ってしまいました。それまでの自分のあり方や価値観が否定され、心理的に不安定になることを『アイデンティティ・クライシス』と言います。しかしこれは思春期にはよくあることです。こんなときどうしたらよいか?まず相手の文化や価値観を理解し、ひいては自分自身を見つめなおす必要があります。他の参加団体にあって自分にないもの、そして掲載されなかったメディアが共通して扱っているテーマとは何か?『プロレス』です。」会場爆笑。
「他の参加団体と比べて、我々にはプロレスっぽさが足りなかった。エンターテインメント性の高いものを追求するあまり、マッスルからプロレスっぽさが失われていることに気が付かなかったのです!」

そこに坂井たちが。坂井「ちょっと待ってください!俺たちのやってることがプロレスっぽくないってどういうことですか!?」右写真
アントン「僕はプロレスをやるためにイタリアからこの日本にやってきてるジョルノ!趙雲だって中国から来てるし、ペドロさんは保険の営業の仕事をしながらプロレスをやろうとしてるんですよ?」

趙雲が突っかかる、亜門キャッチして(左写真)チョークスラム。
亜門「ったく、お前らはなんでいつも最後まで人の話を聞かないんだ!いいから俺の話を最後まで聞け!俺の話を聞けー!」

亜門「えー、若干取り乱してしまいました。私がエンターテインメントの本場、アメリカに留学していたことは皆さんご存知と思います。世界最高の団体WCWが倒産してからというもの一切プロレスを観戦していませんでした。しかし、こういった状況なので、ニーズを吸収しなければいけないと思い他の団体の試合も見たわけです。その団体はWCWの陰に隠れていたため日本のプロレスファンはあまり知らないと思いますが、WWEというニューヨークに本拠地を置く団体です。ちなみにお前ら、WWE見たことあるの?」

坂井「いや、自分は英語とか苦手だし、だいたい日本とは14時間も時差あるし、見ることできません。」
ペドロ「亜門さん、彼らは自分たちのことで精一杯なんで、海外の情報なんか入る余裕はないですよ。私は外資系に勤めてるんで、他の社員が噂をしてるのは聞いたことがあります。」左写真)。

亜門「さすがだな。趙雲もガッツワールドとか出てるヒマあったらちょっとはプロレスの勉強した方がいいぞ。」
趙雲ひっくり返る。坂井「ガッツワールドは仕方ないよな。梁和平とか。」趙雲苦悶(右写真)好きだなあ、ガッツネタ。
亜門「俺たちは今までただ闇雲に試合をやって興行を続けてきたけど、それじゃあ誰も俺たちのことをプロレス団体ともレスラーとも認めてくれないんだよ。俺はこの数ヶ月間WWEを見てきてある重大なことに気付いた。毎週毎週よくそんなにストーリーを続けられるなあと感心して見てたんだが、そこには秘密があったんだ。」


坂井「な、何なんですか、秘密って?」
亜門「藤岡!例の物を!」
藤岡がチャンピオンベルトを掲げる(左写真)。
亜門「その名もインターナショナル・マッスル・グランプリ、IMGPだ!WWEにあって我々にないもの、それはチャンピオンベルトだ!WWEではチャンピオンベルトをめぐって毎週の試合で選手たちが争い合い、最終的にその年のチャンピオンが年度末最大のビッグイベント、レッスルマニアでベルトが争われるのです!このレッスルマニアのメインイベントがメチャメチャ面白かった!」

亜門「私はこれだと思いました。新しいエンターテインメントを模索する我々だからこそできること、それはWWEの方法論をマッスルに導入し、レッスルマニア並みの感動をこのリングから皆さんにお届けすることです!」
坂井「じゃあ、アメリカで最もはやっているプロレスを日本に取り入れる、と?」
亜門「まあな。こういう実験的内容は後楽園とぁじゃできないしな。こういう小劇場的空間でファンと秘密を共有する感じでやってみようと思う。」
アントン「ということは今日から我々にとってのレッスルマニア、つまりマッスルマニアのメインのタイトルマッチに向けて、ベルトをめぐっての闘う連続ドラマがスタートするんですね。」
亜門「だからお前らはいつまでたってもダメなんだよ。今お前何つった?」
アントンン「スタートする」
亜門「その前!」
アントンン「・・・闘う連続ドラマ。」右写真
亜門「はいそれがダメ!センスゼロ!お前の親父は香典泥棒か!」アントンひっくり返る。

坂井「確かに本多君の親父は香典泥棒かもしれない。しかしベルトをめぐっての一年にわたる構想劇のストーリーがあって初めて最後の試合に観客は感情移入できるわけじゃないですか?これはまさに闘う連続ドラマ・・」
亜門「違う違う。俺がやりたいのはメインのタイトルマッチだけなんだよ。何で毎週毎週試合やんんあきゃいけないんだよ?お客さんだって毎週会場に見に来なきゃいけないなんて、一体いくらお金むさぼり取るつもりなんだよ?せっかく金払って見に来てくれた客に次の興行の前振りの試合を見せるなんて失礼極まりない。それに俺たちだって時間がないんだよ。いつまでもこう(手を上に向ける)なってるわけじゃないし、いつこう(下に向ける)なるかわかんない。こんな楽しい時間がいつまでも続くと思うなよ。」
亜門「藤岡、アレ持って来い。」藤岡が分厚い紙の束をリングに置く(左写真)。
亜門「これが俺の考えたよそだったら一年かけてやるだろうベルトをめぐっての構想劇の流れだ。これを今日一日、しかも5分で消化して、マッスルマニアのメインのタイトルマッチを行う。」
坂井「これを5分?無理に決まってるじゃないですか!」
亜門「だからぁ、試合前のストーリー紹介する映像があるだろ?アレ見れば一年の流れが5分でわかっちゃうし、どっちかって言うと俺はあの映像に感動したんだよ。その映像をこの場で撮って、スクリーンで流そうと思うんだよ。で、映像終わったら選手が入場、タイトルマッチが行われる、と。」


坂井「やっぱり、1年を5分って無理ですよ。」
亜門「レッスルマニアの試合前の映像カッコいいじゃん。ストーリーもわかりやうしし、店舗もいい。それがあれば試合やんなくていいんだよ。だからこそ、それをリング上でやるべきだと思うんだよ。ダイジェストにしてしまえば必要なのは一撃必殺の決めわざと、アレだ、マイクの画、後は演出だ。」藤岡が冊子を配る(右写真
亜門「これ読んどいて。抗争の流れです。カメラマンさん、技術さん、必要と思われる方は取りに来て。ファンの方は駄目です。えー会場にお越しの皆さん、これから我々ツルティモドラゴンジムの年間最大のビッグマッチ『マッスルマニア』に向けての壮絶な抗争が繰り広げられます。よくプロレス中継で流れる試合前の映像がありますが今回はそれも生で流します。まずメインの対戦カードのCGっぽいのが流れまして」
坂井「ちょっと待ってくれよ。もう最終的に誰がベルトに挑戦するか決まってるのか?」左写真
亜門「決まってる。」
坂井「それはおかしいでしょ?今から挑戦者を決める争いを見せていくのに。」
亜門「こういうのは前もって最初に決めとくもんなんだよ。そこからさかのぼって行くんだよ。言っといた方がいい?」
坂井「聞いといたほうがやりやすいなら。」
亜門「一人目はアントン、もうひとりはチケット一番売った坂井。こういうのは大事だから。あと一人は・・・」
坂井「なんであと一人いるんだよ!俺と本多君のシングルじゃないのかよ!」
亜門「誰がシングルやるって言った?今回のマッスルマニアのメインはトリプルスレッドマッチだよ。もう一人はDDTの諸橋晴也!」
坂井「なんで諸橋さんが?他にも趙雲とかいっぱいいるじゃないですか!」
亜門「見ればわかるよ。諸橋はそれっぽく見えるんだよ。今日のテーマは『っぽさ』だから。CGっぽいのを流して、プロレスっぽいことをすれば、専門誌っぽいものにもレポートっぽものが載る、と。時間がないからスタートするぞ。」

ステージに設営された幕の前で対戦カードを発表する映像を撮ることに(右写真)。

確かに結構それっぽく見える(左写真)。

亜門「そこからいろんな抗争があって」
坂井「それは実際にやるんですか?」
亜門「もちろんだ。そのための興行だし。で、最後は3人でやってるプロモっぽい映像を」
坂井「それも全部生で?」
亜門「大丈夫だよ。お前らがそれっぽい振る舞いをすれば、Samurai!のカメラマンっぽい人がそれっぽく撮って上のスクリーンっぽいのにちゃんとちゃんとプロモっぽいのが流れるから。で、最後にカード発表の映像だ。」

亜門「それではお客さんにもご協力願います。私が『ただ今よりマッスルマニア・メインイベント世界ヘビー級選手権試合を行います!』って言ったら大歓声をお願いします。ボード上げる感じで。なんでもいいから。各自四角いものを持って。それでは行きます!ただ今より、マッスルマニア・メインイベント世界ヘビー級選手権試合を行います!」左写真

場内に村田アナによる実況が流れる中「マッスル12・ロイヤルランブル」がスタート。

ランブルのラスト3人は坂井、アントン、そして趙雲(左写真)。

趙雲が全員を吹っ飛ばし優勝(右写真)。

かと思われたがアントンがスクールボーイで丸め込んで挑戦者に決定(左写真)。

しかしもうひとりの挑戦者が必要とわかり(右写真はそのいざこざを表現する亜門とアントン)、

マッスル13の金網デスマッチ(ヘル・イン・ア・セルではない)でもう一人を決定することに(左写真)。リングでは普通に試合。しかしカメラの前に金網。

大流血戦の末坂井が趙雲にペディグリーを決め(右写真)勝利、

坂井がもう一人の挑戦者に決定(左写真)。

マッスル14では世界ヘビー級選手権の調印式。

流血したままの坂井とアントンが挑発しあう(左写真)。

そこに諸橋晴也が(右写真)。

諸橋とアントンがマイク合戦(左写真)。

アントンが諸橋にスウィート・チン・ミュージック(右写真)、坂井が諸橋を後ろから支えて3回繰り返しも生で撮る。

亜門が「マッスルマニアのメインイベントはトリプルスレッドだ!」と宣言(左写真)。

坂井がカメラに向かって吼える(右写真)。

諸橋はベンワーちっくなポーズをコーナーで(左写真)。

坂井がアントンにペディグリー(右写真。これも3連発)

アントンが再度諸橋にスウィート・チン・ミュージック、諸橋かわす(左写真)。

諸橋クリップラー・クロスフェースに(右写真)。

坂井と諸橋がロープをはさんで挑発合戦(左写真)。

坂井がリングに戻ると亜門が「そろそろ対戦カードのところへ」のカンペ。坂井急ぐ。しかしリングと花道の段差でつまづいて転倒。時間がない。坂井は進行手伝いのディーノに代わりに行くように頼む。ディーノ走る(右写真)。

カード差し替えに(左写真)。トリプルスレッドはアントンvs諸橋vsディーノ。

亜門「坂井お前どうしてくれんだよ!最後に間に合わなきゃ意味ないじゃないか!お前はいつもそうだな。」
坂井「撮り直しさせてもらえませんかね?」
亜門「無理だよ生だもん。仕方ないからあのいつも進行手伝ってくれてる彼に頼むしかないよ。すいません、なんか運動できる服って持ってますか?」
ディーノ「大丈夫です。」
亜門「じゃあお願いします。さっきの映像見てみましょうか。」



その2へ。