マッスルハウス5 1/3 後楽園ホール大会その7
しかし726は反撃には移れない(左写真)。「エトピリカ」止まる。

スクリーンには映像、ナレーションは726ではなく坂井。「俺が三浦と知り合ったのは今から7年前。お前はまだ17歳の時だった。」

「いつになっても何年たってもデビューできなかったお前を、俺は3年前に始めたこのマッスルというリングで、726という名前のプロレスラーとしてデビューさせた。別にプロレスラーになったからと言って、726が特にコレといって人間的に変わることは無かった。」

「2年前の夏、付き合ってた舞さんと結婚する726の披露宴にビデオを作っていったが、」

「あまりの出来の悪さに親戚の皆さんに非常に怒られた。別に大好きな彼女と結婚したからと言って、726が特にコレといって人間的に変わることは無かった。」

「それからすぐ後、726はバイト先のうどん屋でいきなり店長になった。でも店長になったからと言って、」

「726が特にコレといって人間的に変わることは無かった。」

「そして2007年11月22日、726の奥さんで僕らの仲間である舞さんが・・・」

「亡くなりました。」

「今でも信じられないし、嘘であって欲しいと思う。でもこれはきっと間違いじゃない現実だと思うし、そんなのお前の方が100倍わかっているはずだ。そしてその倍悲しいはずだ。だから俺たちはお前が今プロレスに対してどういう気持ちで取り組んでいるかぜんぜん分からない。本当によく分かんないし、分かんないことだらけだけそ、やっぱり今この瞬間も分からない。」

「でも最近ひとつだけ気づいたことがある。プロレスはすげー楽しいっていうことだ。」

「それはここにいるマッスルの仲間や鈴木さんたちが教えてくれた。プロレスは本当に凄い。だからお前も本気でやればいいと思う。どんなに頑張っても絶対にゴールは見えないから、いつまでも思いっきり走り続けていくことができる。もしお前に今もうちょっとだけ頑張れる力が残っていれば、立ち上がって欲しい。もうちょっとだけ一緒にプロレスをやろう。」

照明が戻り、726が立ち上がる(左写真)。

坂井にエルボー(右写真)、

鈴木にもエルボー(左写真)、

高山にも向かっていくが高山は腕パンチを振り下ろす(右写真)。

高山ランニングニーリフト(左写真)。

アントンと趙雲がカットに入る(右写真)。

726ドロップキック(左写真)。

高山エルボー連打(右写真)。

高山ビッグブーツ(左写真)。セコンドの大家が大号泣。

高山エルボー(右写真)。

抱え上げてバックドロップ(左写真)、726は2で返す。

高山ランニングニーリフト(右写真)、カウント3。
高山(14分40秒 ランニングニーリフト)726

726を気遣う坂井。2人とも泣いている(左写真)。

鈴木マイクを取ると「おい726、お前には立ち上がる理由があるだろ!寝てんなよ!立って闘えよ!・・・時間、場所決まったら早めに連絡くれ。マッスル武道館、俺たちのスケジュール空けとくから。」高山と鈴木は退場(右写真)。

坂井「こういうことしか俺たちにはできないから、ゴメン。こういうことでしか俺はお前に頑張れっていえない。こういうことしかできない。分かんないんだ。お前は見えないところで何万倍も苦しんで、耐えて、頑張ってるかもしれない。でも、つらいこととか悲しいこととかあったらもっと俺らにぶつけていいから。マッスルで3年、DDTから7年、一緒にやってきたんだ。」(左写真)

「お前がいつになってもプロレス頑張んないから、それを見かねた舞ちゃんがプロレスラーになって726を倒して、それで726をやる気にさせるという僕らがよくやるフェイク・ドキュメンタリーみたいな企画の番組を『マッスル牧場classic』の1回の企画で11月に撮影したんです。そのちょうど放送日にお前の舞ちゃんは亡くなっちゃったんだよな。本当に何がなんだかわかんなかったけど、どういう風に声を掛けていいかわかんないし。わかんないけど、俺は本当にわかんないから、なんだかんだ言ってやっぱりプロレスしかないと思うから。プロレスだったらなんとかなると思うし。」

「お前の今日の試合とかももっともっと頑張って、ちょっとでも追い込んだりすることができないといけないのかもしれないけど、こういうことをきっかけにこうやって頑張っていけばいいんじゃないかな。」726にマイク渡す。

726「すいません・・・なんか湿っぽい空気になっちゃいましたけど、一言だけ。」

「舞、ありがとう。お前のおかげで頑張ってプロレスできたよ。これからも舞の好きだったプロレス頑張るから。またいつかどこかで会おう。」

坂井「2008年1発目のマッスルだったんですけど、どういう感じの興行にしようか、いろいろやりたいこととか、みんなに見て欲しいこととか、挑戦したいこととか、いっぱいあったんですけど、今の自分たちにとって、どうしてもやっておかなきゃいけないことが、今日の726のこの試合だったと思います。見てる人、来てくれたお客さんがどういう風に思ったか分からないですけど、もっと楽しくバカバカしくてくだらないことをやってる僕たちを応援して見に来てくれてると思うんですけど、今日はみなさんの歓声や場所が欲しくて、三浦に何かのきっかけにしてほしくてこういう感じの興行にしました。最後まで見てくださって本当にありがとうございました。」

坂井「ということで卒業とかはない?」
アントン「ないまほん。」これでようやく空気が緩む。
坂井「趙雲もアントンも726もマッスルはやめもはん。これは僕がこの間『大奥スペシャル』の菅野美穂を見て持ち帰ったものです。今何時ですか?延長料金は間違いないですね。おとそ気分ということで、延長料金は後楽園ホールのビッグなお年玉ということで・・・今年も何回も何回もやりますから。今日は本当にありがとうございました。そして、こういう話だ、こういうことをやりたいというのをちゃんと聞いて出てくれた鈴木みのるさん、高山善廣さん、本当にありがとうございました。2008年、今年も僕らは頑張って行きます。ぶっちゃけ武道館でやりたいと言っても全く相手にされてなくて。でも本当にやんないと気まずいんで。とにかく今年も頑張ります!」
726が中心で「3、2、1、マッスル、マッスル!」(左写真)
坂井としてはこの生中継という絶好のチャンスにいろいろやりたいことがあっただろうが、それより今坂井の頭には、当たり前だがこれをやらずには次に進めないという思いがあったのだろう。単純に口で「頑張れ」と言っていいのかどうかすらわからない友人に対し、言葉では表現できない思いをプロレスの形で伝えようと思ったらああなった、ということなのだろう。「引いた」という人もいるとは思うが、笑って泣いて、それでいいじゃないか。いつもはある意味作られたものの中から真実みたいなものを感じ取って感情が揺り動かされるのに対し、今回はほんとうにあったこと+目の前で起きていることで感情が揺さぶられたというだけ。まあ、Entertainmentとは言えないかもしれないけどね。
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