JWP 95年1月28日・KBSホール大会


第1試合 小林智美 vs 本谷香名子

本谷と小林は10分引き分け。小林も試行錯誤に入ってるな。


第2試合 久住智子 vs 宮崎有妃

久住は初挑戦のトップロープからのミサイルキックで宮崎を一蹴。やっと本領発揮かな。


第3試合 外山寿美代&天野理恵子 vs 菅生裕美&宮口知子

菅生・外山が宮口・天野をそれぞれ従えてのタッグマッチ(最近多いぞこのパターン)は宮口の頑張りも光ったものの、最後は外山がノド輪落としで宮口を押さえて勝利。天野も逆片エビの集中攻撃にはよく耐えたが、左のヒザのでっかいサポーターが気になる。


第4試合 キャンディー奥津 vs 矢樹広弓

試合開始から15分はほとんどグラウンド。奥津の攻撃も単純な技の波状攻撃。矢樹はワキ固め、腕十字、アキレス腱固めで奥津を攻めつける。しかしバックの取り合いから奥津のジャーマンがついに炸裂。しかも4連発。このとき突然カメラに異常が。ファインダーが暗くなり、全く露出が合わなくなったのだ。こんな大事な時に。見ると矢樹の口が真っ赤。口の中を切ったか?そして奥津は矢樹をトップロープ上に。矢樹必死に抵抗するも雪崩式ノーザンでピン。矢樹は若手に担がれて帰っていく。大丈夫か?


第5試合 キューティー鈴木 vs 能智房代

セミファイナルは“能智試練のシングル連戦(勝手にそう呼んでるだけだが)”第4戦。今日の相手はキューティー。一発一発の技はキューティーの方が格段に上、試合を作ってるのもキューティー。でも能智もがんばった。矢樹にしてもそうだが、「もう一つ大技があればいけるのに。」と思わせることしばしば。最後はドラゴンの前に沈んだが、この4連戦で何か伸びたような気はするな。1試合目の関西戦はどうしようもなかったけど。


第6試合 デビル雅美&尾崎魔弓 vs ダイナマイト関西&福岡晶

メインは尾崎・福岡のチームを分けてデビル・関西がからむタッグ。福岡も尾崎を敵に回したらどんなに怖いかまた痛感させられたことであろう。もうたいがいスタミナを奪っただろうというところで、ヒョッと逆転の大技出してくるしな。この日は関西のスリーパーでデビルが意識を失ってた間(5分くらいか?)ひとりで関西・福岡を相手してたし。試合の方は、復活したデビルが場外戦で痛めつけた福岡を雪崩式ギロチンでフォール、関西は地元で勝利を収めることこそできなかったが、デビルとの差を感じさせなかった。試合終了になり、リングの撤去が始まっても矢樹の姿は見えない。よほどひどい負傷なのか?


1月29日・丹波スポーツセンター大会



京都を午前10時45分に出て、大阪経由で丹波総合スポーツセンターの最寄りの篠山口に向かう。途中宝塚市を通るが聞きしに勝る被害状況というか、だいたいの家が屋根が壊れて雨よけのビニールシートを張っていて、やはり中には完全に崩れて瓦礫と化した家も。特に古い家がそうなった、というわけでもなさそうだったが、これはたまたま断層の上に家があったのかそれとも工事がまずかったのか。福知山線(宝塚線)は復旧していない神戸線の迂回路線となっているため車内は途中の新三田までひどい混雑。そういった風景を通りすぎて、丹波あたりまで来ると特に地震の爪痕といったものも見られず、こちらの気分も落ちつく。篠山口には結局12時半の着。バスと徒歩で会場へ。会場着は試合開始30分前の1時半。それでもまだバスが10分に一本程度あるだけマシだ。


第1試合 宮崎有妃 vs 倉垣靖子

オープニングマッチで宮崎と倉垣が引き分け。宮崎も抜け出すかと思われたがそうは甘くない。それにしてもこの人の痛がり方・悲鳴は客に思わず笑いが出るほど強烈である。15歳だからかなあ?倉垣も未だ片目開かず。試合運びも今日はどう見ても勝てそうにない。自分の個性見つけるのが先かそれは後回しにして基礎を身につけるのが先か、見てるほうにはもどかしいがやはり後者なのだろうな。



第2試合 天野理恵子 vs 小林智美

天野は小林をトップロープからのミサイルキックで下したが、コーナーへの上がり方、空中姿勢とも不格好。現段階でそれを出せばまず間違いなく勝てるとはいうものの、出せばいいというものではない。こういうのこそ後回しにすべきなんだ勝利至上ではなく。


第3試合 外山寿美代&久住智子 vs 菅生裕美&宮口知子

第3試合は昨日に続き菅生と外山が若手を従えてのタッグマッチ。今日の外山のパートナーは久住智子。今日の久住の水着は一時期矢樹が着ていた「SPEEDO」の色違い。矢樹路線なのか久住?それはいいとして、久住はやられている時の顔は相変わらず情けないが、攻めているときの顔が冷たくてよい。宮口も最初こそおとなしかったが、後半恒例のごとくターボがかかり渾身のタックル連発。もうこの人は一個一個の技で魅せられるレベルまで行ってるかもしれない。試合は昨日と逆にミサイルキックで菅生が久住を押さえ、菅生チームの勝利。


休憩をはさみ、今日のメインイベント、久々の「企画もの」“1フォールカウント・4vs4勝ち抜き戦”。チーム編成は事前の発表とは異なり、デビル・関西・奥津・能智組vsキューティー・尾崎・福岡・矢樹組に。矢樹が負傷しているというのになぜかデビル・関西の敵に回されてしまった。まあワシらが気をもむ以上に本人のやる気は勝っているのかもしれんが。そして勝ち抜き戦のポイントとなる出場順は

  能智房代        先鋒     矢樹広弓
  ダイナマイト関西    次鋒     尾崎魔弓
  デビル雅美       副将     キューティー鈴木
  キャンディー奥津    大将     福岡晶
       に。キューティーチームは意外にオーソドックスに来た。

試合前には再度山本代表からルールの説明。「関節技30秒ルール」ではレフェリーのシュートサインから本部席で計時するとのこと。またフォールは攻めている側のアピールから初めてレフェリーが数えることとし、偶然のカウントは排除とされた。

そしていよいよ試合開始。先鋒・矢樹の下アゴにはでっかいバンソウコウ。歯で下唇に穴でも空けたのか?痛々しいことこのうえない。しかしこの試合形式なんて矢樹のために用意されたようなもの。能智のフォールを俊敏な動きでかわし(観客へのルール浸透度もなかなかなもので、この動きに声が上がっていた)、関節技で勝負に出る。逆十字、スリーパーは逃げられたものの終了間際のヒザ十字はがっちり決まり、能智はロープの寸前で30秒のコールを聞いてしまった(矢樹広弓、一人抜き)。

すぐに出てくる次鋒のダイナマイト関西。あっという間に矢樹の後頭部を蹴り抜き、KO(ダウンカウントは5)。矢樹は一本取っただけでもよしとするか(ダイナマイト関西、一人抜き)。

次に出てきたのは尾崎魔弓。尾崎も動き回って何とか関西を抑えようとするがさすが関西はたとえ1カウントも簡単には取らせてくれない。逆に尾崎が1カウント寸前で返すのが何度も続く。せめて5分持って関西と引き分けてくれればと思うが、こういう時の5分の長いこと。4分すぎ関西のバックドロップが爆発。1カウント取るのにこれほど適した技はない。が、尾崎返す。さらにもう一発。これも尾崎返し、タイムアップ(次鋒同士は引き分け)。

対戦は副将同士、デビルとキューティーに。デビルは「場外に落ちた選手には控えの選手が攻撃を加えてもよい」ルールをうまく利用してキューティーを痛めつけ、リング内に戻るとライガーボムであっさり1カウント。

いよいよ残すは大将・福岡のみ。しかし福岡はデビルの場外攻撃→パワーボムをウラカン・ラナで切り返し殊勲の1勝。

そして大将同士の一戦。奥津のジャーマン、福岡のムーンサルト等もらえば1カウントとられてしまうような技は徹底して交わす。時間はわずか5分。この2人で5分は短すぎた。福岡が起き上がりこぼしジャーマンをしのぎ切ってタイムアップ。決着は10分1本・通常ルールの8人タッグへ。

このあたりに来ると矢樹は口が痛むのか苦しそう。これは福岡チームにとって大きなハンディ。しかしデビルは矢樹でなく福岡に狙いを定める。これをしつこく尾崎がカット。福岡チームは関西に4人で「ラインダンス・キック」を浴びせるなどチームワークは勝る。そしてこのタッグも時間切れ。ルール上これ以上の決着戦はありえないが、デビルと尾崎の小競り合いが続き、観客からは「延長」コール。結局全員によるカーテンコールもなく、チーム毎に「勝利」をアピールしての終了となった。全く初めての試みではあったが、この試合形式はよかった。もし絶対に決着を付けようというのであれば多少ルールの手直しも必要になるか(柔道のように代表者によるシングルで決着つけるとか、最後の8人タッグも2カウントにするとか)とも思われるが、このままでもいいからもう1回、今度は後楽園ホールでやってほしい。その時は矢樹も完調になってるだろうから。今度こそこの形式ではやってくれると思う。今日もケガの割りにはよくがんばったとは言えるが、相手もおっかなびっくりではいい試合にはなりようがない。


観戦記INDEXへ。