JWP 96年5月14日・後楽園ホール大会



珍しいJWPの夜の後楽園。メインのカードが客を呼んだのかなかなかの出足。

7時5分に入場式でスタート。第1試合は橋本史穂デビュー戦&後楽園タッグ選手権試合。先に入場して王者チームを待つ挑戦者チームの矢樹と橋本。さすがに橋本は緊張。橋本のお兄さんが近くで声を張り上げ、救急箱かなんかをリングにほうり込む。また「濃い」家族が増えてしまったか。しかしいつまでたっても王者組現れず。 ここでヤマモのアナウンス。「申し訳ありません。後楽園ベルトがどこかに行ってしまいました。ウチのベルトは片方3億円しますので、現在一所懸命探しております。もうしばらくお待ちください。」リング上の矢樹大爆笑。テレビ撮りの都合上か矢樹・橋本も一旦退場して入場やり直し。


第1試合 JWP認定後楽園タッグ選手権試合

宮崎有妃&久住智子 vs 矢樹広弓&橋本史穂

試合の方は何しろプレデビュー戦を1ヶ月こなしたとはいえ、これがデビュー戦の橋本がやはり大苦戦。初のタッグマッチということもあり、どこまで自分で行って、どこから矢樹に任せればいいかの判断もちょっとよくない。結局10分過ぎてヘロヘロになった橋本を久住がミサイルキックで押さえて初防衛に成功。防衛戦としては実に無難。

久住(12分18秒 体固め)橋本


第2試合 天野理恵子 vs コマンド・ボリショイ

1ヶ月以上引っ張ってきた天野とボリショイの「因縁」も今日で最終回。
天野の表情がすごくいい。開始と同時にフライングラリアット3連発。本部席には尾崎もいるし、「勝ってやる」の意気込みは十分。ヒザ十字の極まり具合もいい。がしかし、ボリショイはスリーパーで動きを止めると裏投げ連発で天野を追い込む。天野なんとかフォールはハネ返すが反撃ならず。ピコバスターはボリショイ自ら解く。もうダメか、と思われた2発目の雪崩式裏投げを着地後に切り返す天野。まずはワキ固め。ボリショイ前転して逃げる。天野十字固めに移行。ボリショイギブアップ。喜びに泣き崩れる天野。

天野 (18分39秒 腕ひしぎ十字固め)コマンド

ここで敗者ボリショイがマイクを取って、「尾崎!リングにあがってこい!」尾崎上がる。「天野が勝ったぞ!」(お前が負けたんだ、というツッコミはこの際なしで)「天野を認めてやれよ!」 尾崎何も言わず天野を抱きしめ、手を挙げてやる。結局ボリショイは自分を犠牲にしてこの2人の仲を取り持った形に。最後に「こんないい付き人、2度とクビにするんじゃないぞ!」とボリショイが言うと尾崎は(マイクなしで)「うるせえよバーカ」。(たぶん)何にせよ天野は元の鞘に戻ったということで、今後は普通にジュニアの道を進むことでしょう。


第3試合 デビル雅美、さぶろう、能智房代 vs キューティー鈴木、本谷香名子、久住智子

最近なんか熱くなってる能智と本谷。今日も能智は「ふさちゃん」衣装なしで登場。さぶろう・能智のいつものパターンもほとんど見せず、至って激しく試合は進む。当然場外戦も多く、カメラマンも右往左往。そんな中、デビルとさぶろうに捕まっていた久住が脱出するやエプロンからトップロープに飛び乗る。当然リング内へミサイルキックだろうと思ったら、体を反転させデビル&さぶろうにプランチャ。この動きはよかった。これがECWアリーナだったらきっと「ECWコール」が起きてただろう。試合は能智がウラカン・ラナで本谷をフォール。試合後いちおう握手してたみたいなんで、こちらの方も落着か?

能智(23分8秒 エビ固め)本谷


休憩後のインフォメーションコーナーは矢樹。オロナミンCを苦しそうに飲む矢樹にヤマモが宇宙パワーを与えようとして余計に苦しくさせる。


第4試合 福岡晶&キャンディー奥津 vs ダイナマイト関西&宮口知子

この試合はなんと言っても奥津の奇天烈なハイキック対策に尽きる。それは何かと言えば、関西がハイキックを出した瞬間にいきなりブリッジをするというもの。しかもずーっとブリッジの体勢のまま動かない。これには関西も「やられた」といった表情。最後も奥津が宮口を雪崩式ノーザンでピンして終わり。新結成のチームもなんだかどこまで真剣なのやら。

奥津(17分17秒 体固め)宮口


第5試合 ザ・ドレスアップ・ワイルド・ファイト・テキサス・デスマッチ

この試合は3カウントフォールのあと、10カウントのダウンで決着がつき、ロープエスケープ、場外カウントはなしというもの。尾崎はゲンを担いだのか入場テーマを「Can't Catch Me」から以前の「Red, Hot & Heavy」に戻しての入場。(フルコーラス聞いたぞ!)「レザーフェチ」にはたまらん2人の衣装(私がそうだとは言ってない)。尾崎は首輪とチェーン、貴子は金属パイプとチェーン持参。最初は持ってきた凶器でドツキ合い。すぐに場外戦。カメラマン、セコンドがどっと押し寄せる中に一人変なオヤジが。セコンド勢は一瞬不審に思うがとりあえず無視。しかしこのオヤジいきなり「がんばれー。」ただの変な客だったのだ。矢樹と元気美佐恵がこのオヤジを排除する。南側スタンドでまず尾崎が流血。ついで貴子も北側スタンドで流血。やっぱりこうなるのかあ。最近はECWでも血は出してないから、そんなんなしの「デスマッチ」もあっていいと思うんだがなあ。戦場は再びリング上に。ここからは机の上に互いの得意技の出し合い。両者とも3カウントでは決まらないというのに意地なのか習性なのかカウント2でハネる。レフェリーのチャーリー東は尾崎の足がかかっていたとしてカウントを止めるというミスを犯して貴子に殴られる。この大技合戦を制した尾崎がイスに貴子を鎖でしばっての顔面キックなどで一気に優勢に。最後は鎖を手にグルグル巻きにして、テープで止めての裏拳一発でフォール+10カウント。この形式の試合は見てて疲れる。しかし前回見たvsデビル戦、その前のvs関西戦(八潮は見てないんです)よりも試合としては面白かった。

尾崎魔弓 (35分10秒 KO)井上貴子



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