JWP 96年6月16日・後楽園ホール大会



昼のGAEA JAPANに続いての(企画は連携していない)夜のJWP。

後楽園は立見もたくさん出て超満員。 全選手入場式を終わってさあ試合開始、と思ったら、リングの板(真ん中の1枚)が割れていることがわかり、天野、久住、本谷、宮口、てっしーがあわてて復旧作業にかかる。南側の客にはリングがどういう構造になってるかわかるいい機会だったかも。その間ヤマモは5月に引き続き間を持たせるためのバカ話。「先日、電車に乗っておりましたら、『JWPの山本さんですね。』と声を掛けられました。『はい』と応えますと、『ジェンヌゆかりはどこに行ったんですか?』(笑)『知りません』(笑)えー、山田敏代がレガースを付けるほどにはかかりませんのでお待ち下さい(昼のGAEAを踏まえたネタ)。あ、山田敏代ファンの皆さん、冗談ですから許してください。」などなど。


第1試合 コマンド・ボリショイ vs 宮崎有妃

この2人、付き人と「暫定師匠」の関係だそうです。(配ってたチラシによる)でも宮崎はゴングを待たずに突っかけます。しかし中盤からはボリショイのペース。危険な角度の裏投げを連発。しかしこれを宮崎はクリア。プラム式フィッシャーマン(というよりほとんどブロックバスターホールド)も久々に見せて健闘。最後はボリショイがピコバスターホールドで制したが、第1試合からなかなかの盛り上がり。

コマンド(ピコバスターホールド)宮崎


第2試合 福岡晶&キャンディー奥津 vs さぶろう&能智房代

カードを見たときはお笑いになるのかな、と思ったら、さぶろうも能智も入場時から入れ込んでて、福岡チームの入場を急襲。あの衣装のままで。しかし福岡チームは技と重み(福岡の)で挽回。中盤からは能智、そしてさぶろうの粘りが見所となった。能智は福岡のムーンサルト3連発もクリア。さぶろうはダブルのダイビングヘッド、ローリングジャーマンもクリア。ならば、と奥津は速いジャーマンからグランドクロス200。ヒザに古傷を抱えるさぶろうは耐え切れずギブアップ。能智もカットには入れず。試合後福岡とは握手したさぶろうであったが「元ライバル」奥津とは交わさず。

奥津(グランドクロス200)さぶろう


第3試合 ワンナイトスペシャルタッグトーナメント1回戦
尾崎魔弓&天野理恵子 vs キューティー鈴木&久住智子

最近「表情がいい」天野と久住。先発するそぶりを見せるベテラン2人を制して、自分が前に出ようとする。キューティーが久住を「生かそうとする」動きをするのに対し尾崎は天野を徹底的に「使う」。客席からも「尾崎、おいしいとこどり!」の声が飛ぶ。尾崎は天野が久住の張り手で鼻血を出して帰ってきた時には タッチ拒否。厳しい師匠ぶり。試合は1回戦から20分を超す長丁場となり、勝負は尾崎vsキューティーの大技合戦に。「これで決まるか?」のタイミングで若手が必死にカットするためなかなか決まらない。最後は最近尾崎が多用しているクロスアーム式のサンダーファイヤーパワーボムでキューティーをフォール。

尾崎(クロスアーム式サンダーファイヤーパワーボム)キューティー
※尾崎&天野組決勝進出。


第4試合 ワンナイトスペシャルタッグトーナメント1回戦
ダイナマイト関西&本谷香名子 vs デビル雅美&宮口知子

尾崎&天野やキューティー&久住ほど「付き人」と「師匠」であることがあまり普段は取り上げられない2組、しかしエプロンから掛ける声が両方とも迫力満点。宮口・本谷も期待に応えるべくよく動く。最初は直接対決を嫌っていた御大2人も「定番」ラリアット相打ちで激突開始。こちらもやはり「弱いのを狙う」のではなく、「自分の敵をつぶす」展開に。唐突に出た1発目のスプラッシュマウンテンは宮口カット。続くダイハード関西も宮口が邪魔する。デビルはダイビングギロチンなどで関西の右ヒザ集中攻撃。しかし2発目を見事に決めた関西がデビルに勝利。

関西(ダイハード関西)デビル
※関西&本谷組が決勝進出。


休憩前に次回の後楽園大会(7/7)でHIROMI YAGI BIG CHALLENGE3番勝負第2戦、vs井上貴子と久々のJWPタッグ選手権試合(半年ぶり)KAORU&福岡vs 関西&キューティーが行われることが発表。さらに、「JWPとは関係ないことですが、」と前置きして「ディック・マードック選手が2日前に亡くなりました。」と山本代表。女子プロの会場でもさすがマードック、「えーっ」の驚きの声。


第5試合 HIROMI YAGI BIG CHALLENGE 3番勝負第1戦
矢樹広弓 vs アジャ・コング

矢樹かなり緊張している面持ち。アジャは悠然と玉田を連れて入場。玉田は矢樹のセコンドに行くかなあ、と思ったけどそれはなし。試合開始。当然のごとく矢樹の技はアジャには通用しない。「こんなもんか?」といった表情で見下ろすアジャ。ほどなく場外戦に。アジャは矢樹を観客席一周旅行にご招待。ここまでやられてさすがに矢樹も奮起、腕ひしぎ十字固め、立った体勢からのワキ固め、アジャがコーナーに登ったところを雪崩式一本背負い、雪崩式スクールボーイと持てる技をすべて出そうとする。アジャはそれをぜえんぶ受け止める。15分が経過して、矢樹の攻撃を全部受け切ったアジャはフィニッシュへのお膳立て開始。まずはコーナープレス。そしてほとんど垂直落下式のブレーンバスター、裏拳。裏拳の当たりは浅かったが、その前のブレーンバスターで矢樹は終わってた。アジャ余裕のフォール。

アジャ(裏拳→体固め)矢樹

マイクを握ったアジャ、「玉田が横浜でそうしたように、矢樹選手、あなたもひとりでここから歩いて帰ってください。あなたならできるはずです。」矢樹コールに支えられ、何とかふらつきながらも立ち上がる矢樹。アジャと握手。アジャは続いて「次は矢樹vs玉田だ!玉田は私が育てます。」とか何とか。今日のアジャは「全女のアジャ」ではなく「女子プロ界トップのアジャ」だった。


第6試合 ワンナイトスペシャルタッグトーナメント決勝戦
ダイナマイト関西&本谷香名子 vs 尾崎魔弓&天野理恵子

試合前、チャーリー東レフェリーの突然の「勇退」が発表......なぜ?関西のヒザは相当痛そう。天野は正式にタッチして入ったときもカットに入ったときも必ず関西のヒザを攻めめます。きっと尾崎からそうするようにキツく言いつけられてたんでしょう。それでも関西はキックやバックドロップで尾崎・天野の2人を蹴散らさんばかりの勢い。本谷も新兵器「コーナーからのカナ・ロケット」(仮称)を披露。これも関西と尾崎の間で決まるかな、と思ったら本谷がエビ固めの応酬から回転エビで天野をフォール。チャーリー東レフェリーは一旦カウントを止めたようにも見えましたが、結局3カウント。納得行かない天野は泣きながら抗議、尾崎は「いいじゃないか、よくやったんだから」てな感じで 天野を連れて帰る。全試合面白かったけど、個人的には意外な展開だった第2試合がいちばん良かったような。



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