JWP 97/2/9 後楽園ホール大会



JWPの久々の後楽園夜興行。開場は「予定通り」15分遅れの17時45分。

関西がリング上から欠場挨拶。「内臓疾患というか、ドクターストップがかかっていてプロレスができません。一日も早く復帰します。」とだけ。


第1試合 宮口知子 vs 大隅沙理

予定カードでは第1試合は大隅沙理vsプラム麻里子だったが、急遽宮口が復帰することに。「イケミヤグチィー」のHさんもさすがにこれは知らず今日は来てない。相手が大隅ということもあって楽な試合ではあったが、とにもかくにも宮口が3か月のブランクを経てついにカムバック。これは嬉しい。

宮口(6分53秒 ダイビング・ボディプレスから体固め)大隅


第2試合 キャンディー奥津&コマンド・ボリショイ vs 久住智子&本谷香名子

入場式の時点から足を引きずっていた(左足首負傷とか)奥津。先発を買って出るが当然満足には動けない。パートナーのボリショイも右ひざ内側靱帯を傷めて2日は欠場したほど。これに対し若手コンビは積極果敢に攻めていく。いつもは流れをぶち切るように出すカナツイストも今日はちゃんと流れにそってたし、カナバットも久住に固定させてから、と無駄がない本谷の動き。久住も失敗にメゲずにどんどんスワンダイブで飛んでくる。久住のロコモーションダブルアームに怒った奥津がジャーマン6連発で反撃。久住がグロッキーになるが、入ってきたボリショイがジャーマンを打った際に、カットに入った本谷は容赦なくヒザに攻撃。これでボリショイ戦闘不能。奥津を自軍コーナーに捕らえた若手コンビはまず合体でファンタスティック・フリップ。続いて本谷がダイビング・セントーン、そしてローリング・セントーン。これを奥津は2カウントでなんとか返すが続く本谷のラ・マヒストラルは返すことができずついに3カウントを聞いてしまう。奥津が下に取られるなんて矢樹相手以来だ。最後の展開からすると足の負傷も言い訳にならない。今日は本谷が強かった。

本谷(17分41秒 ラ・マヒストラル)奥津


第3試合 エステル・モレノ&キューティー鈴木 vs アルダ・モレノ&プラム麻里子

キューティーの入場テーマは「It's Magic」。どうやら完全に戻したようだ。目まぐるしい展開の中、プラムは尾崎をもフォールした変形フィッシャーマンであわやキューティーをフォール、という場面も。またエステルが雪崩式ミステリオ・ラナを狙ってトップロープに据えた際には逆に雪崩式ビクトル投げ。今一番好調なのはこの人かも。エステルを捕らえたプラム組、アルダがトップロープに上るが、これはエステルがフランケンシュタイナーに切って取る。あわててプラムがカット。今度はプラムがトップロープに。キューティーとの場外戦を制したプラムがエステルを押さえ、アルダは雪崩式ミステリオ・ラナに。ところがこれをもう1回転させたエステルがアルダを丸め込んで、キューティー&エステルの勝ち。

エステル(19分1秒 回転エビ固め)アルダ


第4試合 オンリーギブアップ柔道ジャケットマッチ
伊藤薫 vs 矢樹広弓

隣の放送席では伊藤のコメントとして「最後なんだからプロレスで当たりたかった」という言葉を紹介。この形式でのこの対戦、矢樹があと何年もやるつもりだったなら、いつか機が熟すこともあったろうが、今の状況ではちょっと必然性に欠けていたのは否めない。もちろん引退を前にしてやらせたかったことはすべてやっておこうというフロントの考えもなんとなくわかる気はしなくもないが。この試合のルールは両者上下とも柔道着着用、30分1本勝負でギブアップまたはレフェリーストップで決着、足関節・打撃はなしという変則的なもの。まずは袖の取り合いから入る。もろ柔道の試合。(ちなみに伊藤は柔道初段、矢樹は二段)伊藤たびたび背後から乗って裸絞め、あるいは十字を狙おうとするが矢樹防御。この展開が何回か続いた4分過ぎ、伊藤は矢樹を払腰で投げ(一本)、袖を取って引きずり、うまく矢樹のグリップを切る。矢樹回転して逃げようとするが伊藤は裏十字の態勢に決め、矢樹ギブアップ。

伊藤(4分45秒 裏十字固め)矢樹

ここで伊藤柔道着を脱いで、「プロレスでもう5分」をアピール。矢樹も柔道着の下には水着を着ており全く異存なし。矢樹ドロップキックから伊藤を場外に落としプランチャスイシーダ、リングに戻っても一本背負い、ヒザ十字固めと攻めまくる。やっぱりこっちの方が見てて気持ちいい。伊藤はフットスタンプで反撃。ダイビングの一発は矢樹かわす。矢樹は伊藤をジャーマン、そして再度ヒザ十字。伊藤エスケープ。伊藤ダイビングフットスタンプをついに決めるが、3カウント寸前で引き起こす。ここで実は5分は過ぎていたのだが、千葉リングアナあえてゴングは鳴らさず。伊藤はフィニッシュとばかりに雪崩式フィッシャーマンバスターを狙って矢樹をトップロープに。矢樹は雪崩式スクールボーイ(右写真)で切り返し、 ヒザ十字に。ここでゴング。

伊藤(5分 時間切れ引き分け)矢樹

長谷川咲恵が持ってきた花束を矢樹に渡す伊藤薫。いい奴だ。なんかこないだの富津では特に何も感じるものはなかったが、こういうシーンを見ると「もう残り少ないんだなあ」と実感してしまう。


第5試合 JWPタッグ選手権
デビル雅美&福岡晶(王者組)vs 尾崎魔弓&天野理恵子(挑戦者組)

引退の噂も流れるデビルさんだが、どこから見てもそうは見えない。先発は天野と福岡。天野を無視し、尾崎を挑発する福岡。デビルが天野との勝負を買って出る。いきなり強烈なパワーボム。天野の目が早くもイッてしまう。福岡には腕を完全に極められる。しかし天野はそう簡単には潰されない。なんとか有利な態勢で尾崎につなぐ。尾崎はトペコン、ライガーボム、裏拳を駆使してなんとか局面を打開せんとする。尾崎の裏拳が福岡の顔面を捕らえ、さらにデビルのラリアットの誤爆を受け、福岡はエプロンでグロッキー状態。デビルが出て、天野にパワーボムを連発するが、3発目を天野はDDTに切り返す。尾崎はそれを受けてスイングDDT。天野に捕まえさせて尾崎はデビルの顔面に裏拳連発。しかし福岡のライダーキックが裏拳誤爆のスキを突いて天野の後頭部に炸裂。福岡は天野を自コーナーに連れていき、スカイハイムーンサルトフットスタンプ(コーナーに座ったデビルの肩の上から飛ぶ)を狙うが、これは天野逃げる。ここでとんでもないことが。福岡が尾崎に捕まり、また形勢逆転かと思った瞬間、デビルがトップロープから天野にライダーキック。福岡は尾崎を場外に落とすと難なく天野をフォール。

福岡(16分49秒 片エビ固め)天野
※王者組初防衛。

マイクを握るデビル。「次は誰だ!」リングに上がるプラム。「誰とやるんだよ?」キューティーも上がる。これを見ていたシュガー、永島、久住、本谷もリングに上がり乱闘が始まる。デビルが尾崎に「OZアカさん、気持ちは受け取る。いつかやろう」と言ったことでOZは引き下がり、どうやら次期挑戦者はファイティング・ドールズに決まったよう。関西が休んでいる以上、キューティーらが前に出ていかんとね。

入場式見てて負傷者の多さにどうなることかと思ったが、内容はすごくよかった。



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