JWP 98.2.11 後楽園ホール大会



入りは7割くらいかなあ。選手入場式は通常のではなく、その日の試合順に出てくる「ビッグマッチ方式」。川崎、豊田、伊藤も出る。


第1試合 春山香代子 vs 佐井富子

基本的には"basic"な攻防に終始。序盤は春山がボディアタックで攻勢、しかし佐井が逆エビ、キャメルクラッチ、クロスボディ連発などで自分のペースに。このまま佐井が押し切るか、と思われたが、一瞬のスキをついてスクールボーイから一気に押さえ込み、春山の逆転勝利。

春山(9分57秒 スクールボーイ)佐井



第2試合 渡辺えりか vs 池田麻奈美

渡辺、串刺し式のエルボーアタック連発。池田はクロスボディなどで反撃。池田のドロップキックはフォームがいい。渡辺は中盤、体重を生かして攻め込むが、池田がまた逆転。そろそろ攻め手も尽きたなあ、というところで渡辺が張り手。池田も張り手で返す。渡辺は投げを打って腕ひしぎ十字固め狙い、池田ブロック。逆さ押さえ込みの攻防を経て、渡辺が再び腕ひしぎ狙い、池田はブロックしながらこれを丸め込み、そのまま押え込むとカウント3つ入る。

池田(11分55秒 エビ固め)渡辺


第3試合 大隅沙理 vs 川崎美穂(大日本)

サリーちゃん、いつの間にかテクニシャンになってる。ドロップキックもフォームがいいし、弓矢固めでも何でもソツなくこなす。この試合ではお笑いは封印、どちらかと言うときちんとした動きの出来ない川崎にいらつきながらの厳しい攻め。川崎、序盤は攻められ放題、中盤首投げを無理矢理こらえて逆転したかと思えば唐突な腕固め、ヒザ固め。15分を過ぎたら堀田ばりの腰の入ってないローキック。この程度でレガース付ける必要がどこにあるのか?大隅が攻めあぐみながら、しかし痛めたらしいヒザを攻められて苦戦、という感じで試合はどんどんタイムアップに迫ってくる。しかし大隅、もう引き分けかなあ、という「残り試合時間2分!」のコールを聞くや強烈なスリーパー、絞め続けると川崎グロッギー。大隅ミサイルキックを脳天に2発。2発目はかすったような感じだったが、川崎に返す力なし。

大隅(19分12秒 片エビ固め)川崎

残り時間は48秒だが大隅に余裕。「終わらせる気ならいつでも終わらせられたんだ」と言わんばかり。川崎はちょっとなあ、「修行」以前の問題ではないか?


第4試合 宮口知子 vs 本谷香名子

前の試合がちょっとダラついた感じだったが、こっちは開始から動きっぱなし。普通だったらファイティングポーズで見合うようなところも全然止まらずに攻める。まさか見に来てたアルシオン勢(府川だけだったっけ?)を意識したわけでもないだろうが。ロープワークの切り返し合いから両者場外に落ちてもすぐに戻る。片方がDDTを打てばもう一方はDDTで返す。かと思えばヘッドロックの切り返し合いなんてクラシックな動きも。本谷、飛びつき回転エビなど素晴らしい動きを見せるが、次第に宮口が体力を生かした串刺しヒザ、レッグラリアット、キチンシンクで攻勢を取る。本谷は相手の動きをスカすと、助走付きのサマーソルトドロップ。そしてセントーン。最近はこれ一発で流れを変えることができる本谷だが、その後のダイビングセントーンをかわされるとさすがに自分にダメージが残る。宮口はすかさず高速回転のブラックバスター。どんなに攻められていても、自分が攻めに転じると急に動きが速くなる宮口。試合にメリハリがあっていい。宮口がコーナーに上る。本谷これを蹴落とす。本谷は立ち上がらない宮口にエプロンからセントーン。しかしこれは宮口かわし本谷自爆。宮口は場外でジャーマン。その後しつこいまでのフェンスへのぶつけ合いから、片方が上がろうとするとその足を引っ張る。おいおい、まさか両者リングアウト?と思うと両者カウント18でちゃんと戻る。ま、そりゃそうだろうな。宮口は投げっ放しジャーマン。本谷は2発目をバックエルボーで防ぐ。宮口は足を取らせての延髄蹴り。強烈無比。宮口はコーナーに上ってダイビング式でもう一発。本谷辛うじて返す。宮口はフィニッシュの垂直落下ブレーンバスター狙い。本谷はこれをブロックしジャーマンに。カウントは2。本谷がコーナーに上る。宮口またも素早く起き上がり、コーナーへ。そして雪崩式ブラックバスター、3カウント。

宮口(17分19秒 片エビ固め)本谷

うーん、見応えあるとはこの試合のことだ。この代の4人はどういう組み合わせになってもいいし合いだな。特に宮口がらみは外れなし。


第5試合 デビル雅美 vs キューティー鈴木

結構久しぶりじゃないかな、この対戦。なんか最近キューティーも「上」みたいな顔で下と当たってる(そう言えばどこに行った「かませ犬」発言?)しね。デビルみたいに明らかに勝る人間と当たるってボコボコにされるのもキューティーの魅力のひとつのはず。(いつまでも「それ」だけというのも何だが)キューティーはデビルの髪をつかむ。デビルつかまれたままモロともせずキューティーを振り回し、そのままホイップしてしまう。しつこいようだが「髪をつかまない」なんてことを公言しているアルシオンの府川にこれはどう映ったか?キューティー足4の字の体勢に。最後の足を引っかけるところでデビルはその足に噛み付く。レフェリー反則カウント。1,2,3,4でデビルが放すと4の字完成。デビル「痛いー!」キューティー「ギブアップしろ!」デビル「痛いっつってもギブアップはしない!」デビルがなんとか体を裏返すとキューティーは小さく「いたたたたたたたた」。デビル、吊り天井に。一発で持ち上げるが、持ち上げた後、「痛たた。足が痛い。」デビルはリリースするとパワーボム。この一発でキューティーはかなりのダメージ、に見えるけど、ここからがキューティーの真骨頂。デビルが自分がコーナーに上がり、キューティーを引っ張り上げて、雪崩式のギロチンドロップ(関西をこれ一発で倒したことも)を狙う。デビルが飛んだ瞬間キューティーは身をひねらせてボム風に叩き付ける。キューティー「決めるぞー!」と叫んでドラゴンスープレックス、デビルは2カウントで返す。キューティーヒザ立ちのデビルにジャンピングニーアタック。さらにトップロープからヒザもう一発。デビル返す。キューティーまたヒザ、デビル受け止めるとそのまま後方に投げ飛ばす。キューティーはノドからロープへ。デビルはキューティーを捕まえるが、キューティー切り返してジャーマンに。しかしコーナー近くだったため、デビルはコーナーマットにぶつかって完璧には頭を打たず。デビル、コーナーマットをさすって「ありがとう!」というが、普通の人ならこれでも十分痛いはず。デビルはキューティーを捕らえライガーボム、キューティーは2で返す。デビル、赤コーナー前でどんぐり。キューティーは2発目を抵抗してコーナーに足を掛けるがデビルは委細構わずそのまま引っこ抜くように助走付きライガーボム。万事休す。

デビル(14分34秒 エビ固め)キューティー

いやいや、堪能させていただきました、JWPのヴェテランの世界。


第6試合 ダイナマイト関西&コマンド・ボリショイ vs 天野理恵子&シュガー佐藤(GAEA)

天野の入場曲は「恋しさとせつなさと心強さと」(篠原涼子)。天野とシュガーはOZブルゾン着用。セコンドの永島はTシャツのみ。しかしゴングが鳴って天野、シュガーが2人を場外に落とすと永島はコマンドに襲い掛かる。その間天野とシュガーは2vs1で関西を攻める。長い場外戦が終わってリングに戻っても、OZ組はコマンドの痛めているヒザに攻撃を加えて動きを止め、関西狙いに。しかしいかに体調が悪いと言ってもさすがは関西、蹴り一発でOZの若造の動きなんか止めてしまう。天野はところどころでいい動きを見せるものの、やはり復帰間もないと言う点はどうしても否めない。この辺はいかに気力が充実していようとカバーは無理だ。増してや相手が関西、一筋縄で行くわけがない。天野&シュガーはダブルでブレーンバスターを狙う。関西は2人まとめてDDTに。こういう馬場みたいな動きを許してしまうのもOZ組の方の動きが足りないから。関西蹴り、シュガーが足を取ってドラゴンスクリュー。しかしそのシュガーの足を取ってコマンドもドラゴンスクリュー。関西のラリアットがシュガーに4連発で決まる。そしてパワーボムの体勢、天野がカット。着地したシュガーは関西の顔面目掛け裏拳連打、そしてライガーボムも成功させる。あの体で関西を持ち上げるとは・・・やはり尾崎の後継者たる素質を一番備えてるのはシュガーか?天野が関西目掛けてトペスイシーダ。リング内に戻し、天野が関西を捕まえ、シュガーがイスを持って飛ぶ。当然のように誤爆。そのイスに当たるように関西がバックドロップを狙う。天野は切り返してジャーマン、カウント2。関西は改めてイスの上にバックドロップ。カウントこそシュガーがカットするものの、天野の動きが止まる。コマンド入る。シュガーが裏拳。天野はコマンドを捕らえ、飛びつき首刈り腕十字。コマンドロープへ。天野がトップロープに上がり、シュガーが肩車してのダブルインパクト。コマンドはピコバスターを打つが天野キックアウト。天野はジャーマン2発、ビクトル投げからヒザ十字固め。ヒザを痛めているコマンドにこれは効果的。さらにシュガーもヒザ十字で攻め立てる。天野、コマンドに飛びつき十字固め、関西がカット。シュガーが天野に勝負を託し、関西のカットに回る。天野コーナーに上がる。シュガーを振り切った関西、エプロンから天野の顔面にキック。そこにコマンド上がり、雪崩式裏投げ、天野返せず。

コマンド(20分24秒 片エビ固め)天野

関西マイク「尾崎に言っとけ!これが今の現実や。お前らもそれよー考えろ!」



第7試合 JWPタッグ選手権試合
豊田真奈美&伊藤薫(王者組・全女)vs 福岡晶&久住智子(挑戦者組)

先発は伊藤と久住。久住、力では負けるものの、抱え上げられるとスイングDDTで切り返し、すぐ福岡につなぐ。ダブルのドロップキックから福岡は伊藤に足4の字。そこに豊田はダイビングボディプレス。伊藤「お尻でもくらいやがれ」ヒップアタック、豊田はローリングクレイドル。さらにジャパニーズオーシャンスープレックスに行こうとするが、福岡は体を入れ替えてお返しのローリングクレイドル。久住は「回すぞー!」と叫んでジャイアントスイング約5回転。久住十字狙い、豊田は引き起こし、ロープで固定し背中へのドロップキック。伊藤が出て久住に逆片エビ固め。ロープに逃げるとロープを利用してその場飛びのフットスタンプ。ローリングセントーンから再度逆エビ固め。久住コーナーに逃げ帰る。豊田と福岡。福岡コーナー利用の回転エビからキャメルクラッチ。久住が入り顔面にドロップキック。豊田はブーメラン式ボディアタックで反撃するとお返しのキャメルクラッチから伊藤キック、役割入れ替えて豊田も福岡の胸板にキック。福岡、伊藤のノド輪落としを簡単に食ってしまう。福岡、久住との連係乱れ場外に落とされる。そこに豊田ミサイル、伊藤もトペ。ダイビングフットスタンプは何とかかわし、久住にタッチ。伊藤は久住のミサイルをかわし、フットスタンプ、エルボードロップ。豊田に代わる。久住は豊田にスワンダイブ式飛び越し後方回転エビ。雪崩式の攻撃は抵抗され、逆に後頭部にミサイルを食らう。豊田ムーンサルト。体のコントロールがうまい。久住トップロープに上がるが伊藤がとらえ雪崩式バックフリップ。ダブルのダイビングヘッドはかわすが、豊田はジャパニーズオーシャンスープレックス、カウント2。伊藤ダイビングフットスタンプ、久住かわす。伊藤雪崩式フィッシャーマン狙い、久住は雪崩式後方回転エビからジャーマン3連発を打って福岡にタッチ。福岡伊藤にジャーマン、カウント2。ムーンサルトプレスを打つが、伊藤が足を立ててブロック。伊藤が肩車して豊田ミサイル。伊藤ダイビングフットスタンプ、久住カット。豊田ジャパニーズオーシャンサイクロン、福岡エビ固めに切り返す。豊田、福岡と久住をリング下に落し、スワンダイブのトペコンヒーロに行くが伊藤に誤爆。そこに久住のスワンダイブプランチャ、福岡のケブラーダが連弾でヒット。リング内に戻し、福岡ムーンサルト狙う。豊田コーナーで捕らえる。豊田の変形バックドロップ、福岡返す。豊田ジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックス、福岡2で返す。豊田ニヤリ。しかしその後頭部に久住がスワンダイブミサイルキック。福岡は豊田にタイガードライバー、豊田返す。久住は伊藤を赤コーナーに必死で固定。福岡コーナーへ。立ち上がる豊田の後頭部にライダーキック!押え込む、豊田これも返す。福岡「3だろー」とアピールしながらももう一度コーナーへ。そしてムーンサルトフットスタンプ!しかしこれは伊藤がカット!間に合わなかった久住、そのまま伊藤をドロップキックで青コーナー側の場外に落とす。福岡はもう一発ムーンサルトフットスタンプ!2連発でクリーンヒット!足を抱え込む、1-2-3!王座奪回!(あえてこう言おう)

福岡(18分37秒 片エビ固め)豊田

3カウントを確認して久住と抱き合って喜ぶ福岡。大方の予想を裏切って、ワンチャンスで自分のもとにタッグのベルトを引き戻した。腹を押さえながら福岡に握手を求める豊田。伊藤と久住、豊田と久住も握手。福岡と伊藤は「今度はシングルで」みたいな素振り。

いやー、やっぱり最後に勝つと気持ちいい。




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