JWP 98.4.21 埼玉スポーツセンター駐車場特設リング大会


東武東上線みずほ台駅に着くが、そっからどう行っていいんだかわからない。しかたなくタクシーに乗る。900円。ちょっと歩くにはきつい距離かな。今日の会場の「埼玉スポーツセンター駐車場」。最初聞いた時は「スポーツセンターだったら駐車場じゃなくて中でやらせてもらえばいいのに。」と思ったが、着いてみると打ちっぱなし練習場やフットサルのコートはあるが、大部分がパチンコ屋とゲーセンという「スポーツセンター」だった。これじゃ「中で」ってのは無理だな。その駐車場の奥に幕を張ってリング設置。開場は17時45分。売店でサイン会をやってる福岡の顔が暗い。まあ、大事なトーナメントの1回戦で負けて明るくても困るが。一方の天野は明るい明るい。普段はピアスもしてんだねえ、初めて見た。

18時30分になり、入場式。若手2人の欠場により選手数が少ない。それを埋めるように久々に大日本の川崎も参戦。今日はトーナメントはなし。



第1試合 バトル・アフター・バトルトリプルウェイ
春山香代子 vs 大隅沙理

大隅、緑のワンレガータイプコスチューム。決まってるなあ、これ。リングサイドにはSAMURAI!らしきビデオカメラ。SAMURAI!ニュース用か?春山もだいぶ良くなった。技数が増えたわけではないが、失敗は少なくなったし、つなぎに失敗してとまどうようなこともなくなった。これはやはり経験の賜物か?ほぼ埋まった客席からは技の一つ一つに歓声が。いい盛り上がり。中でも大隅のドロップキックは相変わらずきれいなフォーム。しかも強烈に決まるから、新人に追い込ませておいても十分これ一発で逆転ができる。春山、得意のダイビングボディプレスを一度は成功させるが2発目は大隅にあっさりかわされる。大隅バックドロップに行くが春山は体をひるがえしてこれをつぶす。大隅間を空けずランニングネックブリーカードロップ。コーナーからダイビングネックブリーカードロップ。カバー、しかし春山はこれをハネ返す。大隅コーナーに上り、春山が立ち上がるのを待ってミサイルキック、春山これはさすがに返せずに3カウントを聞く。

大隅(12分35秒 体固め)春山

第2試合も出なきゃいけない春山、頭を押さえて青コーナー下でうずくまって渡辺えりかの入場を待つ。「負け残り」と勘違いする客も。


第2試合 バトル・アフター・バトルトリプルウェイ
春山香代子 vs 渡辺えりか

コールの時まで頭を押さえていた春山だが、ゴングがなるとちゃんと前に出て行く。すごいぜ。しかし1試合目の渡辺は元気。ショルダーアタック、エルボーアタック連発で春山を圧倒。中盤にはこないだ見せたヘッドロックで締め上げてそのままホイップ、グラウンドでも締め上げて相手のスタミナを奪うという流れも。春山もショルダースルーで反撃するが、渡辺2発目をキックでブロックすると逆にロープに振って払腰2発。2発目は体重を浴びせて投げ倒し、そのままのしかかってフォール勝ち。

渡辺(11分7秒 体固め)春山

春山、かつがれて退場。しかしその健闘に客席からは拍手。渡辺はそのままリングに残る。


第3試合 バトル・アフター・バトルトリプルウェイ
川崎美穂(大日本)vs 渡辺えりか

川崎、ゴングと同時にフライングクロスアタック。まだ余力を残した感じの渡辺、これをかわすと序盤からガンガン突っかかって行く。川崎は渡辺のヒザに攻撃を集中するが、またいつもの何をやりたいかわからない動き。首投げも満足にできないんだから、ルチャの技覚えるのはまだ早いんではないか、とすら思う。しかし今日の川崎は試合運びはまあまあ。渡辺のボディプレスを自爆させるとサマーソルトドロップ。渡辺が払腰を3回連続でやろうとすると3発目は蹴りでブロック、すかさず横から飛びついてリンギーナ。今まで中盤で無駄に出してほとんどフィニッシュになったことのないこの技でようやくギブアップを奪った。しかしほとんどの客には何をやったかわからんかったんじゃないかなあ。

川崎(11分44秒 リンギーナ)渡辺


第4試合 キューティー鈴木&本谷香名子 vs 天野理恵子&大隅沙理

天野のテーマはまた「恋しさとせつなさと心強さと」に戻っていた。ま、せっかくこっちに慣れたんだからこのままにしてくれい。先発は本谷と天野。たしかにさっきまでの3試合も沸いてはいたが、この試合に対する反応はまた違った。何しろ動きが断然速い。客席からは驚嘆の声。天野の関節技への入りはもちろんのことだが、本谷も腰抱きから強引に投げるバックドロップ、コーナーに振られた際のフレアー・フリップ(コーナー利用して1回転してエプロンに立つアレ)など、今まで見せたことのない動きも随所に。これは驚くしかない。この日2試合目の大隅もさっきの新人に対する試合ぶりとは大違いのハジケ方。それをサポートし、リードする天野の動きもいい。この人は結果が出せるとそれによって伸びる人なんだろうな。大隅が「あーっ」とあらぬ方向を指差すと普通は大隅の攻撃が来るのだが、今日はそこに天野がミサイルキック。キビキビした動きだが、顔は笑っている。天野がすかさずコーナーに上り、ダイビングラリアット。しかしキューティーはこれを捕らえてワキ固め。天野前転してブレーク。キューティーすかさずフルネルソン、天野これも逃げる。キューティーは前から捕らえるとキューティースペシャル、2カウント。天野はビクトル投げ。しかし回転し終わったところに本谷がフットスタンプを落とす。さらにダイビングセントーン、キューティーはバックドロップ、本谷もう一度コーナーに上ってダイビングプレス、しかし天野は足を出してカット。目まぐるしい。天野ジャーマン、2カウント。大隅が本谷を肩車に捕らえ、天野がコーナーからダイブ。しかし本谷は着地、大隅を飛びつきの回転エビ固めに捕らえる。大隅2で返す。さきほどは自爆した天野がすぐに本谷にニールキック。大隅に「(キューティーを)押さえてろっ!」と指示して本谷に雪崩式ハーフハッチ。キューティー大隅を振り切ってカット。大隅は天野のサポートでダイングボディプレス、2カウント。続いてフィッシャーマンズスープレックス(?)の体勢に入るが、本谷はブロックし、強烈な張り手一発。本谷ジャーマン、体勢崩れてカウントは入らず。大隅本谷を丸め込むとバックを取って自軍コーナーへ。そこに天野がミサイルキックを打つが、本谷かわして誤爆。キューティーと本谷が大隅にフットスタンプ連弾。キューティーが天野を押さえる。本谷コーナーへ。天野がキューティーを振り切って妨害に。キューティーこれを引きずり下ろし場外へ。その間に本谷が大隅にダイビングセントーンを決め3カウント。

本谷(14分23秒 片エビ固め)大隅

面白かった。天野がとにかくいい。


ここで休憩。休憩明けのインフォメコーナーのパートナーは「ライセンスナンバー5」(by千葉)の佐井富子。今日は3本に挑戦させられるが2本半でギブアップ。


第5試合 デビル雅美、コマンド・ボリショイ、宮口知子 vs 福岡晶、ダイナマイト関西、久住智子

入場のテーマは福岡のテーマ、しかしコールは関西が後。一時期の藤波と長州の関係のようだ>関西と福岡。先発はデビルと久住。久住はコーナーに飛び乗るのを失敗し、デビルにコーナーに吊るされる。容赦なくストンピングを打ち込むコマンドと宮口。デビルと関西はお互いのコーナーに陣取りながら大声で口喧嘩。これでまた会場が沸く。関西が宮口にサソリ。デビルすぐに入っていって「放せー」と叫びながらスリーパー。福岡、コマンド、久住とスリーパーでつながってJWP名物トーテムポール完成。このネタも不滅だなあ。しかしこういう昔からのネタもあるが、今の軸は宮口vs久住。壮絶な張り手合戦。それ自体はよくあることだが、この2人は一発一発が強烈なのだ。宮口はカチ上げるようなエルボーパット連発でこれを制するとデビルにタッチ。デビルはラリアットからパワーボム。福岡が入り、コルバタ、ウラカン・ラナ、そして卍。デビル外すが福岡丸め込みカウント2。宮口が福岡にジャーマン、関西入り宮口にバックドロップ。関西スリーパーホールド、デビルがカカト落としでカット。コマンド関西のバックを取り、裏投げ。デビルが入りラリアット相討ち(これも久々見たぞ)。福岡がデビルにミサイルキック、デビルかわしコーナーに串刺しラリアット、福岡かわしてそこに久住がドロップキック。すぐに関西が串刺しラリアットを狙うが倒れていた久住につまずき失敗。福岡がデビルにローリングクレイドル。福岡と久住がダブルの攻撃を狙うがデビルは2人まとめてラリアットでなぎ倒す。デビルは久住をズン前で投げると宮口にタッチ。宮口コーナーに詰めてヒザ、そしてロープに振ってイナヅマヒット。久住はダブルアーム背骨折り2連発で反撃。関西が入って宮口にバックドロップを狙うが宮口はつぶす。コマンドが入り関西にワキ固め。関西起き上がり、バックドロップで投げ捨て福岡に。福岡ムーンサルトはかわされ着地。タイガードライバーはコマンドがウラカン・ラナに切り返す。宮口入り、福岡を肩に担ぐ。福岡着地しタイガードライバーの体勢、宮口福岡をコーナーに押し込んでブロック。宮口、福岡をコーナーに振る。福岡得意のサルトモルタルかと思いきや、福岡がコーナーに上ったところで宮口がバックを取る。しかし宮口が福岡を投げる前に久住が入って宮口にジャーマン。福岡ミサイルキックからムーンサルトプレス、コマンドがカット。久住がウラカン・ラナを狙って飛びつく。宮口はこれを受け止め、肩に担ぎ直してブラックバスター。すごいー。宮口低い体勢からのジャーマン、久住は一回転して着地。しかしその後頭部にデビルがラリアット。宮口が久住をコーナーに上げ、自分も上る。久住は雪崩式回転エビ固め、カウント2。久住はジャーマン3連発、コマンドカット。関西がダッシュしてデビルを場外に落とす。関西が宮口をスプラッシュマウンテンのように担ぎ上げ、福岡と久住がダブルのミサイルキックを狙ったが息が合わず関西に誤爆。デビルは福岡&久住にラリアット。宮口と2人で久住に合体パワーボム。コマンドが福岡、デビルが関西を押さえる間に宮口が垂直落下ブレーンバスター、これで3カウント。

宮口(15分37秒 片エビ固め)久住

うーん、これも面白い試合だった。見ると、デビルと関西はおまけの場外乱闘。客席にまで飛び込んでいる。なんてことないローカル大会だったが、楽しめたし、選手の今のスタンスがわかって非常によかった。



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