DDT 4/30 北沢タウンホール大会



今日行っちゃうと3連戦になるなあ、少しは控えなければなあと思いつつ、先月の北沢大会を見損ねたこともあってやっぱり行くことにする。18:30の時点では人がえらい少なかったが、入場式が開始されるとどっと人が入ってきた。

入場式には今日のDDT Jr トーナメント「D.J.Battle 1st」出場の全員(野沢、三上、クーガー、ライダー、江川、タケル、鳥羽、西野)がたすきをかけてリングイン。クーガーのたすきにはしっかり「ZIPANG」の文字が。代表あいさつは野沢。 1回戦のレフェリーはEMLLから特別招聘のリチャード氏。



第1試合 D.J.Battle 1st 1回戦
野沢一茂 vs 西野勇喜(SPWF)

両者タックルの打ち合い、ラリアットの打ち合いからバックドロップの応酬、一歩もひかず。西野上背では負けてるが果敢にヘッドバットを打っていく。野沢は急所蹴りで逆転。メキシコでのルード修行の成果か?ドラゴンスリーパーからリバースDDTと攻勢。西野もジャーマンから谷津譲りの監獄固め。さらにツームストーンドライバー、ダイビングヘッドバット、串刺しラリアットからブルドッギングヘッドロック。いつもの野沢ならここでへこんじゃうところだが今日は違う。ノーザンライトボムに来るところをDDTに切り返し、低空ドロップキック。次に出したローリングセントーンは自爆に終わったものの、西野のラリアットをブロックして投げっ放しジャーマンから足を決めてグラウンドコブラのような感じで丸め込む技で3カウント。

野沢(5分41秒 メキシコの秘技パート1)西野



第2試合 D.J.Battle 1st 1回戦
アジアン・クーガー(ZIPANG) vs 江川英知(メビウス)

腕の取り合いから江川がきれいなスープレックスでクーガーを宙に舞わす。負けじとクーガー水車落とし風の投げ。ドロップキックで江川を外に出すと、一旦フェイントをかけてロープの反動を利したトペコン。江川もリングに戻るや腰を落としたクーガーの後頭部にドロップキックを打ち、スリーパーから十字固め、とか、ブレーンバスターから自分も一回転してマウントの体勢になり、そこから十字といういい動きを見せる。江川高角度フロントスープレックス、そしてジャーマンを打つが2カウント。クーガーはコーナーに振ってニールキック、得意のギロチンドロップで形勢を逆転し、フィッシャーマンバスターから完璧なジャーマンにつないで1回戦突破。

クーガー(4分59秒 ジャーマンスープレックス)江川

江川にもうちょっと肉があれば・・・・



第3試合 D.J.Battle 1st 1回戦
三上恭平 vs グレート・タケル(IWAジャパン)

今年子供が産まれることを明らかにし、「優勝賞金(500万円)を獲得したら養育費にする」と宣言しているタケル、入場してくるなり起こる「パパ」コールを自らあおる。一方「賞金はトレーニング器具に遣う」という三上はゴング前に急襲、ドロップキックで場外に落として伸身のトペコンを放つが、ちょっと距離が足りなかったか?しかし先にリングに戻るとタケルの足に攻撃を集中する三上。低空ドロップキック、アキレス腱固め、逆片エビ固め、ヒザへのニードロップ、串刺し低空ドロップキックと攻めるが突っ込んだところをタケルはトラースキックで返す。タケルはフェースクラッシャー、フライングラリアットからカバーに行くが三上は1でハネ返す。タケル「この野郎、こしゃくなマネしやがって」と言うと垂直落下ブレーンバスター、カウント2。続いてパイルドライバー、これも2。三上低空ドロップキックから延髄蹴り。ミサイルキック2発からウルトラウラカンラナ、カウント2。三上エルボースマッシュ、タケルはニールキックで反撃。タケルライガーボム、三上2カウントで返す。タケルはにへりを加えたムーンサルト。三上飛びつきウラカンラナに行くがタケルはパワーボムに切り返しカウント2。スワンダイブニールキックをはさんで最後はちょっとだけ助走を加えたライガーボム。

タケル(10分25秒 エビ固め)三上

タケル、マイクをつかんで、「もうすぐ子供が産まれるんだあ!パパは負けられねえんだ!」とか何とか。



第4試合 D.J.Battle 1st 1回戦
仮面シューター・スーパーライダー vs タノムサク鳥羽(二瓶組)

自分的には一番注目の試合。とにかく鳥羽がいい。試合してる時以外も相手を鋭く睨む目がね。近寄りがたいものはあるけど。試合前のワイクーも一段とオリジナリティを増してるし。この試合、特別ルールにより3分5ラウンド、鳥羽はヒジ攻撃あり、ライダーはチョークスリーパーあり。そして特別レフェリーは木村浩一郎。1ラウンド、ライダーが素早いタックルで鳥羽を倒し、関節技に持って行くが鳥羽は無理せずロープに。ライダーも倒した瞬間に常に自分の体が外になるようにコントロールはしているのだが。鳥羽が首相撲からヒザを入れると逆に密着してスープレックスからサイドマウント。さすがにうまい。ライダー裏十字、鳥羽はロープに。鳥羽はライダーをロープに詰めてヒザ。ライダーダウン。カウント7で立ち上がる。鳥羽パンチ、ライダーは捕まえて払い腰から十字、ロープエスケープ。ライダータックルからヒザ十字、ここで1ラウンド終了。
2ラウンド、鳥羽がムチのようなローキック。いいのが入り、さらにミドル、ハイ、パンチを集中打でダウンを奪う。しかし今度はわずか3カウントで立ち上がるライダー。ちょっとガードは危うくなってるが前に出て、払い腰から十字を狙うライダー、鳥羽ロープに。ライダーのタックルに合わせて鳥羽はヒザ。ライダー一本背負いで無理矢理投げる。またロープブレーク。鳥羽ヒザ、ハイキック。ライダーのこん棒のようなローが決まる。鳥羽がミドルキック、これをかいくぐって速いタックルで倒すとバックに回りチョークスリーパー、鳥羽粘るがとうとうギブアップ。

ライダー(2R 1分57秒 チョークスリーパー)鳥羽

好試合だった。試合後ライダーと握手する二瓶組の面々。みんな深く頭を下げる。まさに紳士の集団だ。



第5試合 D.J.Battle 1st 準決勝
野沢一茂 vs アジアン・クーガー

野沢、ゴング前にラリアットで急襲。ルード化してるなあ。場外に落としてエプロンからニードロップ、鉄柱攻撃。しかしクーガーも鉄柱攻撃で返すと先にリングに上がり伸身トペコン。これは素晴らしいフォームで見事にヒット。しかし野沢はクーガーの串刺しニールキックをかわすとクーガーの背中にサッカーボールキック。さすが元ジェフユース。この技は天下一品(ほんとか?)。クーガーが野沢の首をエプロンから外に出して得意のスリングショットギロチンを狙うが、掟破りにもこの技をかわす野沢。逆に場外転落したクーガーにエプロンを走ってドロップキック。リングに戻り、クーガーはコーナーを利して飛びつき回転エビ固め、2カウント。ジャーマンも2カウント。クーガーサソリ固め、野沢ロープに。クーガーのニールキックをかわして野沢ラリアット。ライガーボム2発から逆回転のラ・マヒストラルでがっちり押え込んでカウント3。

野沢(4分36秒 メキシコの秘技パート2)クーガー

おお、今日の野沢はいいわ。野沢マイクを取り、「おいジパング!もっと熱い風をここでも吹かせてくれよ!もう一回やろうぜ!今日は短かったけど、今度はもっと遊んでやるから!」口調は横柄だが、互いの健闘を称える2人。



第6試合 D.J.Battle 1st 準決勝
スーパーライダー vs グレート・タケル

前の試合が思いのほか早く終わったせいか、まだ疲れが取れない様子のライダー。タケルがゴング前に先制。ラリアット、ヒザ十字と攻めるがライダーは余裕。簡単にヒールホールドに切り返してみせる。タケルロープへ。タケルはブレーンバスター、ニードロップ、ギロチンドロップ。ライダーはソバット1発で逆転し、ロー、ハイのキックを打ちまくる。さっきの試合で足に集中攻撃をくらったタケルはライダーのキツいローキックで体ガクガク。タケルはライダーをタックルで倒しサソリに行くがこれもアンクルホールドに切り返される。ライダーはミドル、ローから首を取ってタイガードライバー(初代式)。すぐに十字に入るとリング中央でがっちり決まって万事休す。

ライダー(2分11秒 腕ひしぎ十字固め)タケル

さすがにこの試合は「付き合ってらんない」か?>ライダー



第7試合 スーパー宇宙パワー、ファントム船越、鴨居長太郎、高井憲吾 vs 高木三四郎、黒影、佐々木貴、下田勇作

まず船越、長太郎、高井が船越のテーマで入場。このファントム船越、休憩時間に話したドクター水上によると83年頃からアマチュアプロレスで活躍していたという。プロのキャリアは3年ほどだが、マット歴は長いんだなあ。次に高木、黒影、佐々木、下田が高木のテーマでまとめて入場。高木、目がイッてる。最後に宇宙が別格と言わんばかりに一人で入場。高木はやって宇宙のもとに詰め寄る。宇宙が高井に張り手を入れて、高井が先発。相手は「第4の男」佐々木。ボコボコにキックを浴びる高井。しかし気合いで立ち向かっていく。高井はいいぞ。佐々木、もう一人の新人・下田にタッチ。下田もデビュー戦ではその体格で目を引いたが、その後ケガもあって今一つなんだよな。高井はドロップキックを打って長太郎にタッチ。長太郎は左右のフックを下田にヒットさせダウンを奪う。しかし下田もラリアット、ブレーンバスターで反撃し黒影にタッチ。カ・シンばりに表情の乏しい黒影の登場にちょっと静かになる会場。黒影キック、長太郎パンチ。黒影は長太郎を捕まえて高木にタッチ。高木は長太郎を無視して宇宙を呼び込む。三四郎と宇宙がグラウンドでやり合う。当然宇宙の方が圧倒するかと思いきや三四郎もまったく引けを取らないいい動き。う〜ん、うまくなったもんだ。宇宙は膝蹴り連打からブレーンバスター、サッカーボールキック。高木はドロップキック、ラリアットで宇宙を吹っ飛ばす(凄い文章だな、これ)。佐々木も出てダブルの攻撃を狙うが宇宙は2人まとめてラリアット。そして佐々木にサッカーボールキック。船越が入り、佐々木をコーナーに振りドロップキック。黒影が高井を捕らえ串刺しラリアット。高木も続く。佐々木はヒザ。最後の下田はスプラッシュ。さらに黒影がカーフブランディング。黒影DDTからムーンサルトに行くが高井かわす。しかし黒影は着地すると高井に裏投げ、DDTから再度ムーンサルト、長太郎がカット。佐々木が高井にフィッシャーマンバスターから逆エビ固め。これも長太郎がカット。乱戦で宇宙に場外に落とされた下田が二瓶組長の逆エビ、ダイアナの花束攻撃を食らう。その間にリングでは再び宇宙と高木の一騎打ち。宇宙ヒザ十字。黒影カット。黒影が後ろから捕まえて高木がミサイルキック。さらにバックドロップ。逆回転のラ・マヒストラルで丸kめるが惜しくも2カウント。DDTから正調ラ・マヒストラル、これも2。これは行けるか、と思った高木のジャーマンだったが、宇宙は投げられるとすぐに腕を取ってアームロックに。高木無念のギブアップ。

宇宙(12分41秒 アームロック)高木

高木マイク「負けは負けだちくしょう!あんなの一瞬だよ一瞬!5月!もう一回だ!誰でもいいぞ連れてこい!もう一回タッグで試合だ」みたいなこと。これに応えて宇宙がマイクを取る。注目の第一声は、

「勝っちゃった。」

これには高木怒る怒る。
宇宙続ける。「バカ押さえとけー。バカ押さえとけー。折原に勝ったからって、ちょっと、いい気になっちゃったかな?それともうひとつ。ボクは今まで力を半分にセーヴしてきました。これからは全開で行きます。でさ、パートナー誰でも呼んでいい?なら、木村君の同級生の折原呼ぶよ。折原と、宇宙と、高木、野沢でいいかな?それで5月やろう。誰でもいいなら折原呼ぶよ。木村君に言えばすぐ来るから。」

高木「ああいいよ!」

客「えー」

高木「お前ら『えー』って言ったな?勝てばいいんだろ!」

宇宙「絶対勝てない。がんばってー。」

高木、ノーマイクで興奮したように続ける。「俺らはな、逆境に立った時に強くなるんだよ!伊達に練習してんじゃねえ!」



第6試合 D.J.Battle 1st 決勝
スーパーライダー vs 野沢一茂

ライダー、フェイントからロー、ミドル、ローとビシビシ決める。野沢はここまで見せてきたルチャスタイルを封印?キックで応戦しスリーパーからサーフボードストレッチ、アームストレッチに。ライダー軽く返してヒールホールド。さらにローを叩き込むと野沢は立つのも困難な状況に。ライダーはそんな野沢に容赦なくロー、ミドル、ソバットと浴びせていく。ロープに振ってフライングクロスアタックも。ライダー十字。完璧に極まった。なんとかロープに。その腕に非情な蹴り。野沢は蹴り足をつかんでヒザ十字に。ライダーロープへ。今度は野沢がミドルキック、ライダー足を取ってヒザ十字のお返し。さらにヒールホールド。野沢ロープに逃げる。しかしライダーの方もかなり疲れた様子で、前に出ていけない。野沢ローキックから逆片エビ。ライダーヒザ十字に切り返す。野沢ロープエスケープ。しかしすぐに立ち上がるとドロップキック2発。野沢が十字ねらいに行くが足が壊されていて踏ん張れない。ライダーソバット、ミドル。野沢足とって裏アキレスからレッグロック。ライダーロープへ。ライダーブレーンバスターからギロチンドロップ、エルボードロップ。十字に行こうとするが野沢がブロックしたためキーロックに移行。ライダー立ち上がるが次の技が出ない。そのスキに野沢コブラツイスト、引き倒してフォールを狙うがカウントは2。野沢馬乗りから張り手連打。十字に行くがライダーは未然にロープ。野沢スタンディングからヒザ。ライダー首固めに取るがカウントは2。ライダーのハイキックが野沢のアゴにクリーンヒット。カバーに行くが野沢の足がロープにかかる。ライダーはタイガードライバーで投げ捨て、コーナートップからライダーキックに行くが野沢はこれを叩き落とす。野沢はパイルドライバー。きれいに決まらずもう一回を狙う。ライダーリバースする。野沢足を掛けて回転エビ固めに。これをライダーは下から三角絞めに。野沢即座にギブアップ。

ライダー(9分48秒 三角絞め)野沢

野沢、両腕両足破壊されて完敗。ライダー強し。そのライダー、マイクを持つとすでに泣いている。「ファンの皆さん、皆さんの中にはPWC時代から俺達のことを応援してくれてる人もいると思います。こんなちっぽけな団体だけど、それを応援し続けてくれてる人に、ありがとうと言いたいです。今日、俺は、ある決意を持ってここに来ました。誰にも相談してません。俺みたいな人間が、正義のライダーの仮面をかぶり続けるのはおかしいんじゃないか、勝っても負けてもやめようと思ってここに来ました。でも、今日闘って、ファンの皆さん、仲間達と一緒にやって(このへんよく聞こえず)、ありがとう。DDTのみんな、ありがとう。今日闘った二瓶組、ありがとう。そしてみなさん、ほんとうにありがとう、これからもよろしく!」

悩んだようだが、とりあえずマスクは続けるようだ。

「かまだ屋」のおかみさんから賞金の500万円がライダーに贈呈。すると浩一郎、「ライダーおめでとう、借金返せるな。」

ライダーは今度は泣き声でなく、「えー、かまだ屋さんというのは木村君が休みの日に手伝ってまして、このお金は言わば木村君が働いたお金です。今度、かまだ屋でファン感謝デーやりますから、そのために、このお金、木村君に預けます。ファンのみなさん、これが載った雑誌とか週刊誌を持って、ぜひ来て下さい。マスコミのみなさんも含めて、まさに太っ腹な僕たちが一席持ちたいと思います!」

浩一郎、「それではトーナメントに参加した全員でライダーを胴上げして締めたいと思います。」絶対落とされると思ったライダー逃げまくる。しかしほぼ無理矢理胴上げに。で、案の定落とされる。手を差し伸べたのはアジアン・クーガーのみ。

客出しの音楽は「旅姿六人衆」。三四郎の選曲らしい。しかし話してると「負けるとくやしいい!」と。そして「DDT、なんか悪いところあったら言ってください!そうしないとよくなりませんから!」その態度はすばらしいが、今日の興行には何も言うことありません。



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