3.10 みちのく大田区大会 "Tomorrow Never Dies"



6時半の開始直前に会場に入ると、売店が人でゴッタ返してる。さすがみちプロ。観客の入りは、というと火曜日の6時半ではさすがに満員には程遠い。(2階の自由席が特に空いている)しかしかなり入った。

時間に厳しい大田区体育館とあってか、みちプロがちゃんとしてるのか6時半ちょうどに篠崎リングアナが開始のコメント。まずはエキシビションマッチ5分間。



エキシビション5分間 中島半蔵 vs 瀬野優

瀬野はジャーニーの「Chain Reaction」(なつかしー)、半蔵は「仮面ライダーブラックRX」で入場。なんでエキシビションか、というと半蔵のヒザが完全に治ってないからのようだ。でっかいニーブレスを付けている。しかし試合中は特にヒザを気にする様子もなく、(もちろん瀬野もそっちのヒザは攻めなかった)4分前に半蔵が一度ギブアップを取る。(何回ギブアップ、フォールを取ろうと5分間続ける形式)さらに半蔵が腕十字固めに取るが、これは瀬野がロープに逃げ、タイムアップ。

半蔵(5分間、ギブアップ1回)瀬野



ここで篠塚リングアナがリングに上がり対戦カードの紹介。そして改めてスタート。



第1試合 薬師寺正人&星川尚浩 vs 愚乱・浪花&ヨネ原人

ヨネは入場と同時にいつものように観客席になだれ込む。浪花のマスクのカニは金色。しかし手につけたハサミはかなり古びている。これ新調ってわけにもいかんのかなあ。ジャンケンに負けたヨネが先発。序盤はルチャの典型的ムーブの出し合い。その中に星川はスイング式コブラクラッチなどという力技も混ぜてくる。薬師寺が浪花をコルバタでリング下に落とし、さらにスライディングして場外でもコルバタ、ヨネもドロップキックで落とし場外コルバタ。観客沸く。しかし浪花が薬師寺を観客席に向かって投げ飛ばす。6列目まで飛ぶ薬師寺。起き上がると、

「お先真っ暗だよ。」とひとりごと。

う〜む。
その間にリング上では星川がつかまりカニエルボーから2人掛かりの攻撃を食らう。浪花がスイングDDT、薬師寺カットに入る。すると今度は薬師寺が捕まる。浪花がキャメルクラッチ、その顔面にヨネがドロップキック連発。ヨネがロープ越しのスワンダイブギロチンを薬師寺の後頭部に。10分経過。浪花が薬師寺をWARスペシャルに取る。ヨネが星川のカットを阻止。薬師寺必死でロープへ。浪花垂直落下ブレーンバスター、星川カットするがヨネと場外へ。薬師寺またピンチ。浪花は薬師寺にパワーボム、さらにブレーンバスターのような感じで持ち上げ、薬師寺の背中をロープに叩きつける。しかしそこに戻ってきた星川が流星キック。薬師寺もスワンダイブミサイルキック。浪花場外転落。薬師寺と星川が二方向にトペスイシーダ。星川とヨネがリングに戻る。ヨネが一回転スピンキック。星川はミドルキックで逆襲してノーザンライトスープレックス、カウント2。ジャーマンは浪花がカット。浪花が星川をドクターボムで叩き付けようとするが、薬師寺が阻止。星川ノーザン、薬師寺がムーンサルト、カウント2。星川バック取る。薬師寺ミサイルキック、星川ジャーマン。これはヨネがカット。15分経過。薬師寺は浪花をウラカン・ラナで丸めようとするが浪花はこれを途中で止めて逆エビ固めに。ヨネが出てスパインボム。浪花は大回転ドクターボム。星川がカット。ヨネがダイビングギロチン、浪花はフロッグスプラッシュ、カウント2。浪花がコーナートップに座り、ヨネが薬師寺を肩車してダブルの攻撃を狙う。その背後から星川がショルダータックル、ヨネの顔面が浪花の急所直撃。薬師寺は浪花に雪崩式ミステリオ・ラナ、2カウント。さらにトップロープに上った薬師寺をヨネが捕らえフィッシャーマンバスター、これもカウント2。残り試合時間2分。浪花が星川にラリアット3連発、2で返す星川。今度はヨネがノーザン3連発、薬師寺カット。浪花が薬師寺を捕らえ、ドクターボムのように持ち上げて、ランニングライガーボム、星川カット。ここでタイムアップ。

浪花(20分時間切れ引き分け)薬師寺

熱い試合だった。



第2試合 田中稔&藤田穰 vs 田尻義博&日高郁人

藤田は初めて見るが、評判通りのすばらしさだな。田尻とルチャで十分渡り合ってる。(もちろん田尻が引っ張ってるんだとは思うが)もうちょっと太くなってほしいけど。で、日高も久しぶりに見たんだが、いつのまにこんなルチャドールになったのだ?みちプロのリングだったからかなあ。それにしても付け焼き刃とは思えない各種飛び技だ。田中もドラゴンの体勢からの飛びつき十字、ドラゴンで投げてからワキ固め、ノーザンからすぐ十字、という風にスープレックスと関節技をうまく融合している。某団体がバトラーツスタイルに見える人は本物を見てないんじゃないのかな?だよ。藤田の回転キック(さらにそこから回転エビに)が田尻の鼻を直撃し、田尻は鼻血。田尻が田中のバックを取る。日高ドロップキック、田尻がジャーマン。田中バックドロップで反撃。すかさず十字に。田尻ロープ。15分が経過。田中と藤田が2人で日高をブレーンバスターに。田尻出てくる。すると田中組は持ち上げた日高をそのまま田尻に投げつける。日高が藤田 を捕らえ、リンギーナみたいな入り方から飛びつきのアームロック。藤田ロープ。田尻は田中との場外戦から田中をロープ張り付け。しかしその間に藤田が日高をリバースバイパーホールドに捕らえる。田尻あわててカット。藤田が日高を首固め、逆さ押さえ込み。いずれも2カウント。藤田バックドロップ、田中ドロップキック。田中のハイキックで日高ダウン。9カウントで立ち上り、すぐに田中のヒザに低空ドロップキック。田尻が入り、田中にジャーマン。田中ソバットを打って藤田にタッチ。藤田はミサイルキックから田尻の得意技のドラゴンを先に見舞う。しかしカウントは2。藤田ラ・マヒストラル、2。田尻にウラカン・ラナ、しかしこれはライガーボムに切り返される。田尻すばやくグラウンドに持ち込み藤田からギブアップを奪う。フィニッシュがよく見えなかったので、「何の技かな?」と思ってリングアナのコールを待つと、「変形メキシカンストレッチ」。まあ、どっかのリングアナみたいに知ったかぶりして間違うよりマシだけどさ。

田尻(20分30秒 グラウンド裏卍固め(らしい))藤田

目まぐるし過ぎ、という感じもするが、これが今のJYB(not ジャンクヤード ドッグ)なのだろうな。



第3試合 グラン浜田 vs タイガーマスク

タイガーのマスクは青基調。序盤はベーシックなレスリングのムーブ。タイガー がハイキックで浜田を場外へ。すかさずトペ。浜田はリングに戻るとバックドロップ。タイガー場外に。浜田プランチャスイシーダでお返し。タイガーはスワンダイブミサイルキックからタイガードライバー(佐山式)。スリーパーに取るが浜田は切り返してWARスペシャル。タイガーロープへ。浜田スリーパーに移行。タイガー脱出し、ミドルキックからソバット。ツームストーンを打ってトップロープからダイビングヘッドバット、カウントは2。タイガーが浜田をトップロ ープに乗せるが、浜田はスイングDDTに。逆に浜田がタイガーをトップロープへ。雪崩式フランケンシュタイナー。浜田もう一度タイガーを乗せる。タイガー抵抗。浜田は強引な雪崩式裏投げから十字。タイガー即ギブアップ。

浜田(9分22秒 腕ひしぎ十字固め)タイガーマスク



第4試合 スペル・デルフィン&Men's テイオー vs 新崎人生&船木勝一

まず船木がのぼりを従えて入場。続いてテイオー。2人で写真撮影に応じる。 (今日は敵味方なのに・・・)続いて人生。最後にデルフィン。一応モチーフは 「スポーン」ということなんだろうか、今日のマスク。テイオーが人生をにらみつける。この2人がからむというのは相当久しぶりのことではないだろうか?もしかしてテリー・ボーイ時代以来?デルフィンとも距離を取る。「なんで組まなきゃなんないの?」といった感じの表情。しかし握手をかわす2人。先発を買って出るデルフィン。相手は船木。グラウンドの展開。普段はあんまり見せないけれど、デルフィンももともとデルフィン軍団同士の闘いではよくグラウンドのいい動きをやって見せてたんだよなあ。(懐古モード)足を取られての延髄蹴りで船木を場外に落とすデルフィン。飛ぶ構えのみ。両軍タッチ。そしてテイオーと人生が対峙。しばらくコンタクトしようとしない。テイオーがテリー・ボーイに戻ってジャブ、ストレート。人生はそれを受け止め地獄突き。おおー、懐かしい。また両軍タッチ。デルフィンと船木、ロープワークからドロップキック相討ち。またタッチ。人生はテイオーに地獄突きからコーナープレス。人生はショルダークロー。しかしテイオーも地獄突きをかわしてワキ固め。船木がカット。10分経過。テイオーとデルフィンは2人で人生を股裂き。そしてデルフィンvs人生。(これも久しぶりか)デルフィン、パンチ、顔面キックを浴びせるが効き目なし。逆片エビに捕らえてもあっさりハネ返される。デルフィンはテイオーにタッチ。テイオーは人生のヒザにエルボースタッブを3発打ってドラゴンスクリュー、そして4の字固め。さらにデルフィンと2人で鉄柱急所攻撃からブレット式鉄柱4の字。ようやく脱出して船木にタッチ。テイオーが顔面キック。船木は足を取ってアンクルホールドに。人生も逆片エビでフォロー。これをデルフィンがキックでカットすると、人生はコーナーまでデルフィンをにらみつけて迫っていく。船木が先にスピニングトーホールド、テイオーは首固めに切り返し、船木をコーナーに振ってニーアタックを狙うが見事ターンバックルに誤爆。船木も鉄柱を利用してブレット4の字。その間にリング内では人生がデルフィンにブレーンバスター、カウント2。人生がドロップキックを打って戻ってきた船木とタッチ。船木はデルフィンをサソリに固める。人生が入り、デルフィンにトラースキック。デルフィンはスイングDDTに行こうとするが、人生は途中で回転を止めてしまう。デルフィンをコーナーに振る人生、テイオーが身を挺してデルフィンを守る。すばらしい。まさにどこを取ってもテイオーワールド。デルフィンはこの助けを得て人生にスイングDDT成功。テイオーと2人でドロップキック。テイオーが人生をアルゼンチンバックブリーカーに!しかし船木がカット。デルフィンとテイオーはダブルブレーンバスターを狙うが、逆に2人まとめて人生に投げられてしまう。船木入る。テイオーすばやいクラッチ技、カウントは2。テイオーがバックを取る。船木急所蹴り。船木が逆にバックを取る。テイオー急所蹴りのお返し。テイオーは飛びつきDDTを打ってタッチ。デルフィンがデルフィンクラッチ、人生がトップロープからのチョップでカット。人生が入ってきたテイオーに拝みパワーボム。テイオー場外に逃げる。デルフィンにもキックから拝みパワーボム。長滞空時間から叩き付ける。テイオーなんとかカット間に合う。20分経過。人生はデルフィンを極楽固めに。テイオーがカット。人生はテイオーの足首をつかみ人生スクリュー。しかしそこにデルフィンの大阪臨海アッパーが2連発で炸裂。テイオーもエルボー。デルフィンもう一発臨海アッパー、カバーに行くが船木がカット。船木はデルフィンにストーンコールド・スタナー。そこにテイオーがラリアット。テイオーはミラクルエクスタシーの構え。しかし持ち上げずに、ターンバッ クルに叩き付ける。テイオーが船木を振る。対角線上にデルフィン。また臨海アッパーか、と思いきやバックを取ってジャーマン。連続してタイガースープレックス、デルフィンスペシャル2号だ!これで3カウント。

デルフィン(22分16秒 デルフィンスペシャル2号)船木



デルフィン、すぐにマイクを取り、「おい、みちのくプロレスの選手のみんな、リングに上がってきてくれ。フロント、スタッフのみんなもちょっと上がってくれ!」

リング上に全選手、主要スタッフが揃う。まずはテイオーがマイクを取る。
「デルフィン、お前とはいろいろあったけど、後のことは任せたぜ!」
続いて船木。
「本音を言います!1年前、自分が参加した時はよそもんでして、それでもみんなが受け入れてくれて、それでいい試合ができたと思うし・・・ありがとうございました!」

そして各選手からの送別の辞。

デルフィン「テイオー、船木、WWFに行ってもトップを取れよ!」
浜田「絶対がんばれよ!」
半蔵「お世話になりました!世界に海援隊を広めてください!」
タイガー「向こうに行ってもトップを取れると信じてます。」
薬師寺「みちのくを、世界に広めてください。」
星川「もっともっとビッグになって帰って来てください!」
浪花「がんばって下さい!以上です!」
ヨネはとばして、瀬野。「アメリカに行ってもがんばってください。」
しかしすぐにヨネもスペイン語で一言。
テッド・タナベ「海援隊とみちのくプロレスを世界に教えてあげて下さい。
松井「待ってますから。何年でも待ってますから、必ずこのリングに帰ってきて下さい!」
宇田川「みんな、待ってますんで、絶対、みちプロのリングに帰ってきてください。」
滝沢「今日のように、集まったみんなが幸せな一瞬を過ごせる日が、また来ると思ってます。」
篠塚「この会場に来てるみんなと一緒に、いちファンに戻って、WWFで海援隊が活躍するのを見守っていきます。がんばって下さい!」
そして最後に人生が。
「テリー(テイオーではない)、船木、そして今日はここにいないけれどディック東郷。後のことは気にせずに、思う存分、暴れてきてほしい。」
「ただ、もしも、もしも、疲れて、帰って来たくなったら、いつでも待っている。ここが、このリングが、君たち海援隊のふるさとなんだから。私を含めて、ここにいるレスラーみんな、そしてサスケ、今日会場に来てくれているみんな、日本中のみんなが、活躍してくれることとほんとに思っている。そのことを胸に抱いて、がんばってきてほしい。健闘を祈る。」

WWFでの修行経験を持つ人生の重い言葉である。そして流れるみちのくプロレスのテーマ。ひとりひとりがテイオー、船木と抱擁をかわし、リングを下りる。飛ぶおひねり。最後にもう一度テイオーがマイクを取る。

「必ず帰ってくるから、さよならは言わない。ショーン、ディック東郷、TAKAと一緒に、アメリカで思う存分活躍してきます!」
船木も、「さっきも言いましたが、このよそ者を、暖かく受け入れてくれて、みなさん、ありがとうございました!必ず、トップを取って帰って来ます!ありがとうございました!」と締める。
今度は海援隊のテーマ「アブノーマル・パラダイス」が流れる。感動の別れの儀式だ。結構苦しかった(個人的に)が、来れて、見れてよかった。


観戦記のINDEXに戻る