無我 96/12/15Ebis303大会




無我「一期一会」12/15東京大会(Ebis303ホール)、試合開始は3時。


前回あった長〜いセレモニーは今回はなく、無我コンセプトのビデオ、藤波のあいさつ、ビリー・ライレー・ジム勢のスパーリング(左写真)という必要最低限にして不可欠なもののみ。予定メンバー中、ダレン・フレッチャーがケガで欠場(あと今回スパーリングをお披露目する予定だった新人も)ということで、ブラック・キャットが代打で登場、正田和彦の相手を務めた。(正田と闘う予定の倉島がフレッチャーの代わりにグイラーと、という具合に変更)



第1試合 ブラック・キャット vs 正田和彦

アームロック、ヘッドシザースなどの基本的な関節技で正田を攻めるキャットの姿はさすが若手の壁。正田はキャットの技を切り返すことはできても、キャットを攻め込むことはできない。6分過ぎ、立ち上がったキャットはもろに脳天から落とすブレーンバスター一発、すぐにチキンウイングアームロックにつないで圧勝。新日の第1試合ですら最近はこういう試合は見られなくなってるかもしれない、とふと思う。


キャット(6分12秒 チキンウイングアームロック)正田


第2試合 倉島信行 vs ジョセフ・グイラー


倉島の体は前回より絞れてきているような。グイラーは強引なフェースロックを中心に攻め込み、倉島は前回同様スープレックスが冴える。

一進一退の攻防から、10分過ぎバックに回ったグイラーがグラウンドで倉島を押さえつけながら、まず肩を極め、次にまるで口に腕を強引に突っ込むようなフェースロックを決め、チキンウイングフェースロック(左写真)でグイラーの勝ち。倉島がタップも忘れるほどの強烈な技。

グイラー(10分57秒 チキンウイングフェースロック)倉島


第3試合 ジョン・パトリック vs クリス・ベーコン

この試合のみレフェリーはロイ・ウッド。パトリックが序盤からすくい投げ等のホイップ、スープレックスでベーコンをマットに叩きつける。まさにランカシャーレスリングの発祥時は「駆け引き」なんかない、こんな「ねじ伏せ合い」だったかもしれないという気すらした。(いや、ほんとにそうだったかはわかりませんよ。)エルボーの出し方ももちろんプロレス的な「エルボースマッシュ」もあるが、グラウンドでの攻防でいきなり相手の脇腹に、というのも。だんだん熱くなってきた二人はロイ・ウッドの制止も聞かないほど。試合はベーコンがネックチャンスリーから足も取ってスープレックスで叩きつけ(フィッシャーマンズということになるかな)、3カウント。

ベーコン(10分15秒 フィッシャーマンズスープレックスホールド)パトリック


休憩なしでメインイベントに。


第4試合 藤波辰爾&ダレン・マロニス vs 西村修&シェーン・リグビー


先発は藤波と西村。西村はいきなりノーザンライト風に藤波を投げる。両者タッチ。

おそらく初めてのタッグマッチだろうが、リグビー、マロニスとも特にとまどう様子はない。リグビーが藤波に手四つから押さえられるが鮮やかなブリッジ。藤波はリグビー相手にゴッチ式回転エビ固めも見せる。

2度目の藤波と西村の対決、西村はドロップキック、藤波はキーロックで腕を攻撃。マロニスが出てスープレックスで投げる。西村もノーザンライトで投げ返す。何やらマロニスが熱くなり過ぎてローンバトルが長くなる。何度か自コーナー近くまでは行くが、リグビーへのライバル意識か代わろうとしない。

そうこうするうち、リグビーがマロニスの足を取る。ドラゴン・スクリュー!すかさずヒールホールド(アナウンスはアキレス腱固め)に。ヒザじん帯への連続攻撃でマロニス、ギブアップ。

リグビー(12分56秒 アキレス腱固め)マロニス



健闘を讃え合う4人(右写真)。

試合後は西村のあいさつと、「クリスマスプレゼント」全員によるカラーボール投げ。
他の選手が去った後も藤波ひとりファンの中へ。

10月に比べてカード的には特別な企画もないように思えたが、空席はほんの一部だけでほぼ満員。あくまで自分のまわりだけだが、前回のように何も知らないまま「旗揚げ」だというので見にきた、という客がいなくなって、前回を見て良かったと思う人と、その人が連れてきた人が増えた分会場の雰囲気もよかったような気がする。試合内容もランカシャー勢、キャットがビシッと締めてくれたんでこじんまりながら理想的な興行だったような。



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