道東旅日記



7月15日

数ヶ月前、7月の3連休にどこに行くかを検討した際に候補に上げたのは沖縄、北海道、大分の3つ。沖縄は未踏の地、北海道はまだ行ってない魅力的な場所がたくさん、大分は温泉&城という理由。が、やっぱり「暑いのはイヤ」という至極やる気のない理由で北海道に決定。北海道ならどこに行くか。7月だと花のシーズンにはちょっと遅い。が、まだ食べたことのない花咲ガニは7〜9月が旬だという。カニ好きとしてはこれは行っておくべきだろう、ということで目的地は根室に。どうせ根室に行くのなら今年発表された日本城郭協会の「日本100名城」に選ばれた根室半島チャシ跡群にも行こう、だとすると根室2泊は必須だ。根室に行くにはANAならば中標津空港という近めの空港があるが、マイレージ貯めたいのでJALに。となると釧路空港しかない。ということで2ヶ月前に釧路空港往復と根室の泊まりは押さえておいた。
旅行が近くなり、具体的に計画を立てようとするが、あまり根室に詳しいガイドブックがない。根室がちょっとでも載ってるのを探すと釧路か知床にスポットが当たっている。そういうのを見てるとだんだんそっちの方が魅力的に見えてくる。とくに釧路湿原。知床は無理だが釧路は行き帰りに通る。じゃあ湿原行くかということで方向性がらっと変わる。釧路湿原を観光する場合、西側にある遊歩道を歩くか東側を走る釧網本線で展望するかはたまたカヌーで釧路川を下るか、というのがある。今回行き帰りに釧路いるので行きに西側の遊歩道、3日目の帰りに釧網本線に乗ることに決定。湿原計画は進む一方で、チャシ跡の情報をWebで集めようとするが、こちらの方は全く芳しくない。唯一北海道のチャシを巡った人のサイトを見ても2002年時点で「国指定史跡になった時に遊歩道が整備されたらしいが今は草ぼうぼうで全く見えない」「どこだかよくわからなかった」の記述が多い。もうチャシの方は再整備されてることを願って出たとこ勝負と決定。

7時50分羽田発のJALで釧路空港に。離陸が遅れたため10時着。最近は空弁に牛タンあるんだね。釧路湿原に行く場合、一旦空港から釧路市内に行ってバスなどで向かうより空港からタクシーで直接行ったほうが効率的、という記述がガイドブックにあったのでそれに従う。空港でタクシーを拾うとたまたま湿原に詳しい運転手さんだったのでいろいろ聞く。遊歩道は釧路湿原展望台と温根内ビジターセンターの2箇所の周りにあり、その2箇所は旧鶴居軌道跡の砂利道が結んでいる、というのはガイドブックで情報収集済みだったが、どっちから入るべきかという判断をしかねていた。湿原を何度も歩いたというその運転手さんはビジターセンターから入り、後で展望台から全景を見ることを勧めてくれた。

ビジターセンターに行く途中、前をエゾシカに横切られる。いきなりの野生動物に幸先いい感じ。事前の予報では3日間とも曇りだったが、この日釧路は晴れ。タクシーを降りると暑い。上着も持参していったがTシャツで歩くことに。山道をちょっと下りビジターセンター横からスタートする木道に。木道は「目」の字の形に作られていて、時間に合わせてコースが選べる。時間はあるので大回りコースを選択。

湿原と言っても沼地ばっかりではなくむしろ草原にしか見えないような箇所もある。途中途中で花や虫の写真を撮りつつ進む。ホザキシモツケ。

なかなか素晴らしい。やはり来てよかったなあ。自分で歩かないとこういうのはわからない。

ヒメカイウ。

ワタスゲ。

トンボのカップル。

一見サバンナのようにも見えるが、

やはり湿地。木道を外れるのは不可能。

ヒオウギアヤメ。

雄大だ。

ツルコケモモ?

セリの仲間。

ハンノキの林。

木道が終了し、鶴居軌道跡に入る。ここは砂利道という話だったがこの季節は草に覆われていた。それでも刈り込んではあるので歩くのに問題はない。ただ3kmもの距離、湿原はほとんど見れない。なんか音がするので振り返ると後ろからは雨雲。雷の音か。ちょっと足早に軌道跡を歩く。

ノバラ。

エゾフウロ。

突然刈られてない部分に。狭い。

また刈られてる。

これ何だったっけ?

木道では他に何人もの人がいたが、この軌道跡には全く人がいない。3km歩き、ようやく展望台側の遊歩道(木道)に到達。空もちょっと晴れ間が見えなくなってきた。

ガイドブックではわからなかったが、この展望台側の遊歩道はビジターセンター側と違って湿原ではなくただの山道であった。しかも上り(よく考えれば「展望台」なのだから高台にあるのは当たり前)。3km歩いた後に山道はキツいなあ。ようやくサテライト展望台に。

今にも降りそう。確かに雄大な景色は見られるが、湿原を楽しむならビジターセンター周りだけでよかったかも。

吊り橋。

展望台に着き、昼食を摂るため併設のレストランに。このレストランはいたって普通の洋食屋。シーフード(エビ、サケ、イカ、カキ)フライ定食を食べる。特に湿原に関係はないが味はよい。

食べ終わってさあ展望台に向かおうとすると雨が降り出した。ラッキー。しかし展望もできないのでしばらく館内の展示物や映像を見る。特にタンチョウの映像は繰返し見る。タンチョウって冬だけいるのかと思ったら年中この辺にいるらしい。今回の3日間で見ることできるかな?
雨が上がったので屋上に。西側からは釧路川は見えないのでやはり無理して展望台に来ることはなかった気がする。釧路市内に向かうべくバス停に行くと1m以上あるヘビの抜け殻。なかなかこういうのも見られるものではない。本体はお目にかかれなかったが。

16時釧路駅前到着。釧路市内にあるモシリヤチャシに行こうかと思ったが、あんまり時間の余裕なさそうなのでそれはやめて花咲線のホームに向かう。花咲線は根室本線の釧路以東の愛称。夜行を除くほとんどすべての列車が釧路で乗り換える必要がある。で、ホームに行くと停まってるのは1両編成のワンマンカー(キハ54)。満員寸前。これはモシリヤチャシなど行かなくてよかった。根室までの2時間半立ってられないもの。

歩き疲れのせいか発車すぐに寝てしまう。満員だった乗客は発車1時間後の厚岸で大半が降りる。根室まで行く人間は少ないのか。それでは1両編成も仕方ない。根室のひとつ前、東根室に停車。根室本線の終着駅は根室駅だが、日本最東端の駅はこの東根室駅。当初の予定では3日目にここから乗ろうかと考えてたが、ホームのみ駅舎なしの無人駅だし周りに何もないし、ちょうど「日本最東端の駅」の看板が真横でよく撮れたのでこれでよしとする。最西端のたびら平戸口駅と再東端の駅は一応制覇したので後は稚内と山川だ。

夕日。

18時40分根室着。この時期根室は4時前に日の出、19時前に日の入りだそうなのでまだ明るい。初日泊まりの大野屋旅館まで歩く。途中市役所や合同庁舎はあったが店がほとんどない。駅前はそういう地域なのだろうか?

食事は期待通りの花咲ガニ。ちょっと小ぶりではあったが堪能。タラバガニとも味が違うのだなあ。

メンメ(キンキ)の焼き物。



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