マッスルハウス3 1/3 後楽園ホールその6



休憩明け、控室に鶴見亜門が(右写真)。

「松野さんがぁ〜、松野さんがぁ〜」と泣く坂井、ペドロ(左写真)。
亜門「確かに松野の件は残念だったが、プロレスに真剣に向かい合った結果だろう。」えー、残念って?
「立て!お前らに見せたいものがある。リングに来い!」

亜門らがリングに。「皆さん、新年あけましておめでとうございます。マッスル総合演出の鶴見亜門です。今年もマッスルをよろしくお願いします。マッスルは坂井たちに任せようと思って一度は総合演出というポジションから引いたんですが、前半戦の彼らの頑張りを見て、もう一度頑張ろうと思いました!」
アントン「亜門さん、見せたいものって・・・。」

亜門「そんなことよりお前らさ、北沢タウンホールとか後楽園ホールとかよりもっとデカいところでやってみようと思わない?」
アントン「確かに坂井は年末に日本武道館でやりたいとかのたまってますけど、そんなの所詮夢のまた夢なんですよ。」
亜門「そうなんだよ。地道に興行のクォリティを上げる、それによってお客さんも増える、その結果団体がデカくなる。そんなチマチマしたやり方じゃあ武道館なんて夢のまた夢なんだよなあ。」

アントン「じゃあどうすれば?」
亜門「そんなの簡単だよ。他の団体を潰せばいいんだよ!日本にマッスルしかプロレス団体がなくなったら、みんな仕方なくマッスルを見に来るだろう?」
アントン「確かに一理ある。」


亜門「現在我々は東京でしか興行を行ってません。なぜ東京以外で興行を行わないのか?それは首都圏以外の知名度が低くリスキーであること。それ以上に地方興行独特の問題があるんですね。日本には各地方地方にプロレス団体があって、その地方での興行権を牛耳っているんですね。だから会場さえ押さえることが出来ません。そこで比較的軋轢の少ない東京でのうのうと興行を行ってきたわけですね。しかし、いつまでも東京でやってれば頭打ちです。今回だって地方からの動員があって満員っぽく見せてるわけです。これから一気に観客を増やすには直接地方に進出して新たな客層を開拓する必要があります!」
坂井「どうすんですか?」

亜門「さっき言っただろ?他の団体を潰せばいいって。地方に行ってそこの団体を潰せば、そこで興行を行えるだけでなく、その団体が持ってたお客さんまで俺らのモノになるんだよ。まさに一石二鳥じゃないか!」
坂井「『信長の野望』的ですね。」
亜門「そういうことだ。まず手をつけるか。まずは東名阪だな。東京、名古屋、大阪、この三都市を結ぶ東海道を制することができれば日本を制したようなもんだよ。まず神奈川の大日本プロレス、静岡の静岡プロレス、名古屋はウルトラマンロビン率いるSGP、三重はあれだ、下島車掌の友達の柴田の実家、柴田道場があるんだよな。でニッカボッカ松村とかテロリストしんじとかいるんだよな。で、京都は立命館大学と同志社大学のプロレス研究会、で、大阪は大阪プロレスと大阪学院大学のプロレス研究会だな。まあ順番から行ったら神奈川県横浜市に本拠地を置く大日本プロレスだな。」全員ビビる。

ここで大日本の紹介V。

昨年末、稲松が焼かれたシーン。

デスマッチドラゴン・伊東竜二。

アブドーラ小林。

沼澤邪鬼。

李日韓は大日本の「グレート・マザー」と形容。

坂井「これ、わざわざ作ったんですか!」左写真
亜門「俺はさっき『ここより大きい会場で試合をたりたくないか?』っていったよな?年末に日本武道館やる前に3000人〜4000人規模の会場でやりたいと思ってるんだよね。神奈川には、川崎市体育館、横浜文体というのがあるんだよ。その2会場で定期的にやってる大日本を潰すことにより、奴らが予約してる日程で我々も興行が打てるってわけだ。神奈川を制するものは全国を制す。」ドカベンかよ!
坂井「で、どうやってやるんですか?オファーしたって来てくれないですよ?」

亜門「大日本はプロレス以外のサイドビジネスに力を入れてるんだな。まず道場を開放して一般にジムやってんだよな。マッスルファクトリーっていう。あとリング運搬用のトラックと力の有り余ってるレスラーを使ってレスラーズ運輸という引越しやも経営してんだよな。その2つのサイドビジネスに我々はスパイを送り込んでいる。」

スパイとはやっぱり藤岡(左写真)。

「さっそく行ってみたいと思います。」

「マッスル戦士の底力見せてやる!」

マッスルファクトリーを訪問し代表の関本大介に会う(右写真)。

ビジター料金は500円。

ベンチプレスにトライする藤岡(右写真)。

メニューは至ってノーマルだそうだ。

関本に手伝ってもらって懸垂をする藤岡(右写真)。

確かに親切丁寧ではある。

終わり(右写真)。

亜門「なんか普通に体験入会してきたように見えるんだけど、なんかつかんだ?」
藤岡「短い時間だったんですけど、関本先生は本当に丁寧に指導してくださいました。ここ(二の腕)にすごい筋肉ついて」

亜門「じゃあ、もうひとつの方のレスラーズ運輸のバイトの方はどうだった?さぞかしひどい労働条件だったんじゃないの?」
VTR流れる(左写真)。

バイトとして潜入する藤岡。

有限会社なのか。

代表のアブドーラ小林と会う(右写真)。

なかなか荷物を運べない藤岡。

小林が手伝ってやる。

仕事が終わるとビール(?)を渡し「また来てくれよ」と。

終了。

亜門「バイトとして全然ダメじゃんよ。これじゃバイト代はもらってないんだろ?」
藤岡「いや、それが日給9000円いただきまして。」

亜門「なんでホクホク顔なんだよ!お前みたいなバイトに9000円払った小林に同情するよ!」
坂井「完全に優良企業じゃないですか!ジムもあって、レスラーの働き口もある。企業としての落ち度がない。」
亜門「こちらから行ってダメなら向こうから来てもらえばいいんだよ。」
坂井「向こうから来る?それが難しいんですよ。団体の格とか政治とか難しい世界なんですから。」

亜門「大丈夫だって。ちょっと大日本のホームページ見せて。」
ホームページがスクリーンに映し出されるがさすがに読めない。で、亜門がプリントアウトしたのを読む。読んだのはここ。「商店街」「海岸」「お祭り」「披露宴」「フリマ」「物産展」「キャバレー」「鶴見川」・・・どこでも行ってイベントやります、という営業形態らしい。キーワードは「大日本 × あなた」  です!!ということで「テレビの収録って言えば来てくれんじゃないの?」
坂井「イベントだったら蛍光灯なんか持って来ませんよね?」

亜門「早速電話してみよう。」

スクリーンには登坂統括部長の顔が。亜門「私ですね、ジャパンテレビの三流亭鶴見と申しますが、実はプロレスラー大会ということで大喜利をやりたいので、つきましては大日本プロレスの選手の方に来ていただきたいというご相談ですが。」
登坂「お世話になります。ハイ、大丈夫です。」
亜門「5人ほどお願いしたいんですが?場所は後楽園ホールで。」
登坂「ハイ、大丈夫です。」
亜門「できれば今すぐ来てほしいんですが。」
登坂「ハイ、大丈夫です。」


亜門「おい来ちゃうよ!じゃあお前ら準備して。では大日本選手の到着まで、私の一人京劇をお楽しみください。」

亜門が「三顧の礼」始めるが、藤岡が走りこんできて「大日本の方、もう来られてます!」
亜門「早くね?」



その7へ。