マッスルハウス5 1/3 後楽園ホール大会



後楽園ホールの中に入るとリングが2つ(右写真)。マッスルがこれで何をやろうというのだろうか?

生中継のため7時ちょうどに開始。まずは実況の村田アナと解説の鈴木記者による前振り。村田アナによるとマッスルは「編集されて放送されるのが完成形」で今日のは「ざっくりしたマッスル」だそうである。しかしカードも何も聞かされていないということで話の広げようがない。そして映像が開始。1月1日、足立区のDDT道場でディーノの指導により怪しい練習中。
そこに鶴見亜門。「お前ら元日からこんなに遅くまで練習してるのか?」
アントン「2008年新年一発目のマッスルはSamurai!TVで生中継が決定してるんです。」

坂井「生放送で失敗したら全国のSamurai!視聴者の前で生き恥をさらすことになりますからね。」
ディーノ「とかいって、一番スローモーションが心配なのはアンタでしょ?」
亜門「今日はお前らに重大なニュースがあるんだよ。な、なんと、去年の年5月のマッスルハウス4が日本インディー大賞のベスト興行賞に選ばれました!」
アントン「日本インディー大賞?」
ディーノ「聞いたことないわね。」
ペドロ「東スポのプロレス大賞じゃないってことは確かですよね。」

亜門「あー、それそれ、その東スポの何とか大賞と似たようなもんだよ。日本を代表するプロレス・格闘技チャンネルであるファイティングTV Samurai!の大人気番組『インディーのお仕事』の視聴者の投票で選ばれた去年一番素晴らしかった興行ってことだな。」
坂井「え?じゃあSamurai!加入者の何万人という人たちが僕らの興行をベストだって選んでくれたってことですか?」
亜門「全国のSamurai!視聴者から送られた合計200通以上のメールの中から選ばれた。」
アントン「200万人の間違いですよね?」
亜門「いや、200人だ。」
趙雲「200通も200万通も統計学的に見たらそんなに変わらないですよ。」

坂井「なんにせよ次の1・3マッスルハウス5もこうして生中継が決まってるわけだし、注目度は俄然高まってるって。」
アントン「よっしゃ亜門さん!じゃあ俺に生中継のメインで飯伏の持つIMGP世界ヘビー級に挑戦させてください!」
坂井「アントンずるいぞ!生中継のメインイベントで飯伏のベルトに挑戦するのは主役である僕が・・・」
ディーノ「アンタなんかの試合で大事な生中継のメインが務まるわけないじゃない。いい加減、飯伏とか対戦相手に引っ張ってもらおうっていう薄っぺらい魂胆が見え見えなのよ。」
坂井「薄っぺらいって、相手に失礼だろ?なあアントン」

アントン「薄っぺらい魂胆です。」
坂井「亜門さん、去年1年間プロレスを真剣に向き合ってきた結果、見てやってください!」
アントン「ボクはもうプロレス恐くないし、誰よりも練習してるのはボクだ!」
ペドロ「亜門さん僕こないだ亜門さんのこと生命保険に入れてあげたじゃないですか!」もみ合いになる。
ディーノは「いつでもどうぞ」と尻を出す。

負けじと坂井・アントンも尻を出す(右写真)。
亜門「もううるさい!」全員に裏拳。

亜門「保険の話はするなよ!小劇場の俳優はインディーレスラー並みに大変なんだよ!とにかくいつ誰がお前らをメインで使うなんて言った?次の大会は大事なマッスル初の生中継なんだぞ?お前らみたいな一山いくらの大部屋・汁レスラーにそんな大役任せられるわけないだろ?」
アントン「じゃあ誰がメイン張るんですか?」

亜門「誰が飯伏とIMGP世界ヘビー級選手権をやるかは俺の中ではすでに決定している。飯伏からベルトを奪った者こそがマッスル2008年の真のエースだ。そしてその挑戦者として考えている男こそ、趙雲子龍!」趙雲以外全員驚く。
亜門「日本インディー大賞特別賞をこの趙雲が受賞しているのだよ。今プロレス界で最も権威ある日本インディー大賞のベスト興行を企画したこの鶴見亜門と特別賞を受賞した趙雲子龍ががっちしスクラムを組んでだな、2008年のマッスル、いやプロレス界をリードしていくからな。」
坂井「そんなの急に言われたって納得いかねえよ!俺ら汁レスラーは使い捨てっすか?」

亜門「何言ってんだよ。お前ら汁レスラーがいたからマッスルはここまで大きくなってきたんじゃないか。俺がどれだけお前ら汁レスラーに感謝してると思ってるんだ?というわけで次の大会からは悪役、つまりヒール汁レスラーをやってもらおうと思う。絶対的なベビーフェースの趙雲に対し悪の限りを尽くす悪のヒール汁軍団だ。俺さー、マッスルってなんでプロレスっぽくないのか考えたんだけど、たぶんヒールがいないからなんだよね。だってベビーとヒールの対立構造こそがプロレスの基本概念だろ?」

酒井「足骨折してるんで・・・ヒールは無理です。」
ペドロ「私は一応家庭も、社会的地位もあるんでイメージ的にヒールは無理だと思います。」
ディーノ「アタシ達じゃなくてもマジックとか726とか藤岡とかのリアル汁レスラーにヒールやらせればいいじゃない。」
亜門「無理無理!ヒールやるには頭脳と技術がないと無理なんだって!もう台本なんかにとらわれずにさ、自由に!勝手に!好きなだけ悪いことやってもらって構わない!楽しいぞ〜ヒールは!!」

亜門「籠の中に入れられて、飛ぶ事も忘れちまう可哀想な鳥に比べたらずーっといいじゃねえか。俺はカラスで・・・十分だ。」

そしてオープニングV。バックは初詣?

控室映像。亜門が入っていく。「おいおいバンダナ一枚かよ?」
坂井「だって新しい衣装を揃える予算もないから・・・」
亜門「今日のお前らの仕事だけど、第1試合で趙雲と飯伏の試合があるじゃん。その試合をあえて趙雲が優勢になった時にお前らに乱入してきてぶち壊して欲しいんだよ。」
アントン「いや、それは。趙雲は仲間だし・・・」
亜門は千円札をアントンに握らせる。盛り上がる汁ヒール軍団。
亜門は「自由に、勝手にぶち壊してくれ!ハハハハハハハハ!籠の中に入れられて、飛ぶ事も忘れちまう可哀想な鳥に比べたらずーっといいじゃねえか。」と言い放ちリングに向かう。

亜門「後楽園ホールにお越しの皆さん、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。お正月からこんなにたくさんのご来場、誠にありがとうございます。今回のこの興行はスカイパーフェクトTV301ch、ファイティングTV Samurai!で生中継されております。福岡のお父さんお母さん見てますかー?こういうのも全国に生中継されているんです。」

スクリーンを振り返った亜門、後ろにもうひとつリングがあるのに気づいて腰を抜かす。「ふ、藤岡!なんか後ろにもうひとつリングっぽいものがあるんだけど、これどういうこと?」
藤岡「僕も何が起こってるんだかさっぱりわかりません。」
亜門「誰が一体何のためにこんな建造物を?あ、今日のリングはお昼にここで全日本プロレスさんの興行があったからそのまま置いてってもらって・・・」
藤岡「亜門さん、生放送中です!」
亜門「すいません取り乱しました。」

亜門台本を確認して(右写真「どこまで行ったかな?えーと、2008年一発目のマッスルは、第1試合からなんとタイトルマッチを行おうと思っております!飯伏幸太の持つIMGP世界ヘビー級のベルトにマッスルの新エース候補、趙雲子龍が挑みます。第1試合からメイン級のタイトルマッチを組んでしまうというこの斬新さ・・・すいません自画絶賛してしまいました。それじゃ早速始めちゃいましょか。皆さんご一緒によろしいですか?土曜の深夜にやってる奴です。せーの、どマッスル!」


第1試合 IMGP世界ヘビー級選手権
飯伏幸太(王者)vs 趙雲子龍(挑戦者)

ロックアップ、飯伏腕をひねる(左写真)、趙雲回転して切り返す。

趙雲足をすくってダブルレッグロック(右写真)からヘッドロックに。飯伏切り返す、趙雲バック取る、趙雲ネックロックに、飯伏切り返してアームロック、コーナーに押し込む。

飯伏対角線コーナーに振る、趙雲コーナーに飛び乗る、飯伏突っ込む、趙雲かわす、飯伏トンボを切る、趙雲再びk-なーに飛び乗るとクロスボディ(左写真)。足のすくい合いから両者カバー、ノーカウントで返す。

手四つでリスタート。飯伏が押し込む、趙雲はブリッジで耐える(右写真)。趙雲押し返す。

飯伏ロープに振ってショルダースルー、趙雲は飯伏の背中で回転して着地、ソバット打ち込んでロープに飛ぶ、いつものように追い越しざまにソバットに行くが飯伏はかわす、趙雲反対側のロープに飛ぶ、飯伏カウンターのミドルキック(左写真)。飯伏ストンピング打ち込んでカバー、カウント2。

飯伏逆片エビ(右写真)、趙雲ロープ。飯伏は趙雲の足にストンピング、コーナーに振って串刺しエルボー、カウント2。

飯伏フェースロックからキャメルクラッチに持っていく(左写真)。趙雲ロープ。5分経過。

趙雲チョップ、エルボー、飯伏もエルボー返す(右写真)。

飯伏ミドルキック4連発(左写真)、バック取る、趙雲は四つんばいで飯伏の股の下をくぐると足を跳ね上げて背中にキック。

飯伏張り手、趙雲回転して吹っ飛ぶ、飯伏ロープに飛ぶ、趙雲カニばさみで倒して619(右写真)。

趙雲がコーナーに上ったところで坂井のテーマが流れる。ここで乱入?趙雲はコーナーからダイビングフットスタンプ(左写真)。

趙雲キャメルクラッチ(右写真)。坂井とペドロは向こう側のリングにとどまり乱入する様子がない。飯伏ロープ。

趙雲チョップ、飯伏もチョップ(左写真)。向こう側のリングにはアントンとディーノも到着。

坂井とアントンはストンコ式挑発合戦(右写真)。

飯伏は趙雲にキック連打(左写真)、カウント2。向こうのリングには酒井一圭がレフェリーコスチュームで入る。

向こう側のリングでは4人でイスチャンバラ(右写真)。亜門見かねて「ストップ!ストップ!なんだこれは一体!」

亜門はIMGP世界ヘビー級選手権も「お前らもいつまでやってんだよ!」と止める(左写真)。

飯伏(7分47秒 無効試合)趙雲
※亜門ストップ。

亜門「バカかお前ら!どこから突っ込んでいいのかぜんぜんわかんないよ。ていうかお前らそんなとこで勝手に試合やれって誰が言ったよ?乱入してこいよちゃんと!わかってんのか乱入って意味?」
アントン「いや、もうちょっとしっかりした物を見せようとおもったんで。」

亜門「しっかりしたものってなんだよ?乱入だぞ乱入!乱れて入る!ちゃんとリングに入ってから乱れろよ!」
汁ヒール軍団は4人ともイスに座る(右写真)。
アントン「自分そういうの嫌いなんすけど。」
亜門「はあ?何言ってんだよ?それがお前らの仕事じゃないか。」
アントン「ちょっとリングに乱入して仕事が終わりとかあんまりじゃないですか。」
亜門「恨みのある趙雲たちの試合を乱入してぶち壊す、それがお前ら汁ヒールレスラーの仕事だろうが。」

アントン立ち上がって(左写真「確かに僕らはしがないヒールレスラーですよ。汁ヒールレスラーですよ。でもね亜門さん、あんたが教えてくれたんじゃないですか!籠の中に入れられて飛ぶ事も忘れちまう鳥じゃなくて空を自由に飛びまわるカラスになれってな。」
坂井「アンタらの作った窮屈なリングという鳥かごを出て、こっちの大空はいいぜ。西東京はいいぜ。」
亜門「西東京?西新宿?それじゃそのリングはお前らが勝手に作っちゃったの?」
坂井「そうだ、お昼の全日本プロレスさんが終わった後のわずかな入れ替え時間と、開場時間を若干遅らせることで作った。」
アントン「はるばる足立区のDDT道場からリングを持ってきた。そりゃあ長く辛い肉体労働だったよ。でも不思議と心は折れてない。」そのセリフ、ネタに使うか!

亜門「お前らバカじゃねえのか?」
坂井「バカじゃない、ヒールだ。バカとヒールは違う。」
亜門「確かにそうだけど。勝手にリング作って試合を始めるなんて前代未聞の悪いことだけど、あくまでこっちに絡んでくれないとやりようないじゃん。こっちに来て趙雲殴れよ、飯伏の足を引っ張るとかさ、俺のことフォークで刺すとかさ。」
坂井「古っ!だっせ!」
アントン「発想がだせえんだよ、亜門さん。悪いったっていろいろあるだろ。たとえばそのひとつがイジメだ。イジメの中で何が一番つらいか知ってるか?」
亜門「一番辛いこと・・・イジメられてた時に一番辛かったこと・・・無視だ!クラスの誰にも相手にされず存在しないことにされてしまう!辛かったよ・・・」亜門泣き崩れる(右写真)。

アントン「というわけで俺たちヒール軍団はお前らに対する最大の嫌がらせとしてお前らの存在を徹底的に無視することにした!」
亜門「なんて悪い奴なんだ!でもな、俺はもういじめられっ子だった昔の俺じゃない。お前らのイジメには屈しない!」
ヒール軍団これも無視(左写真)。
亜門「お前ら人の話を聞け!ペドロ!なに携帯いじってんだよ?お前俺の悪口をクラスの闇サイトに書き込んでるな?どいつもこいつも俺のことバカにしやがって。お前らなんかこっちから無視してやる。おい趙雲、飯伏、あいつら無視だからな、あいつらとしゃべった奴も無視。」

坂井「俺たちの試合のほうが食っちゃうかもしれませんぜ。」
亜門「そんなことねーよ。こっちは日本インディー大賞の特別賞とベスト興行賞が組んでるんだ。」
坂井「煽りビデオも作ってきてるから流しますよ。」
亜門「スクリーンは俺たちが発注してるからこっちに使う権利あるだろ?」
坂井「スクリーンはこっちの領地だ!」
亜門「そんなの近さじゃねえだろ。」
坂井「なんならスクリーン半分ずつ使いましょうか?ベルリンよろしく東西に分けて。」
亜門「いいだろう。いくらとなりの画面に何か映っててもお客さんは面白いほうを見るもんだからな。」

坂井「じゃあ僕らは準備があるんで一回控室にはけさせていただきます。」
村田アナ「ちょっとよろしいでしょうか?同時に2つのリングを使って試合をするってことですが、放送する方はどうしたらよいんでしょうか?」左写真
亜門「そりゃこっちのリングを映して中継してくださいよ。」
坂井「こっちだってヒールとはいえマッスルなんだから中継される権利はある。」


亜門「ダメダメ、こっちがマッスルハウス5後楽園ホール大会だろうが。」
坂井「こっちだってマッスルハウス5ですよ。」
村田アナ「正規軍とヒールの闘いなんですよね?じゃあどちらかに偏らず双方のいいところを放送するのがわれわれマスコミの責任だと思うのですが。ねえ健さん。」
鈴木記者「闘うリングこそ違うものの立派な正規軍とヒールの軍団抗争ですから、我々マスコミは両方の闘いをあくまで中立的な立場からお伝えしなければならないと思います。どこかの専門誌みたいに偏った報道はいけません。」

坂井「じゃあ悪いっぽいこと言ってはけましょうよ。」
アントン「お前の母ちゃん『も』デベソだぜ!」左写真
亜門「なんで俺がデベソだってこと知ってるんだ?」



その2へ。